【特集】3年ぶり2度めの世界選手権、花咲かず…男子フリースタイル84kg級・松本真也(警視庁)【2009年9月23日】

(文=樋口郁夫、撮影=矢吹建夫)



 フリースタイルで唯一2度目の世界選手権出場となる84kg級の松本真也(警視庁)は、1回戦で欧州3位のゴカン・ヤバサー(トルコ)に0−2(0-1,0-1)で黒星。ヤバサーは準決勝まで進んだものの、そこで敗れたため、敗者復活戦に回ることができなかった。

 松本は「相手の懐(ふところ)にもぐりこめず、タックルに入れなかった。レスリングをさせてもらえなかった」と無念そう。不利な組み手をしいられたり、腕をつかまれて動きを止められ、どうしても突破口を開けなかったという。

 組んだ時の“かいな力”や地のパワーという点では外国選手に負けてしまうので、動きながら自分の有利な体勢をつくり、そこから攻撃するというパターンをしっかりと確立することが今後の課題だという。

 3年ぶりの世界選手権。特別に緊張することもなく、気持ち的には充実していたという。それだけに「アタックがしっかり取れていれば…」と悔しさがつのる(左写真=圧倒されることはなかったが、攻めあぐんだ松本)

 重量級担当の小平清貴コーチ(警視庁)は、前日の96kg級・磯川孝生の0−1,0−1の敗戦に続く0−1,0−1の黒星に、「わずかの差なんですが…」と悔やむ。外国選手は日本選手にはないパワーを持っており、そうした選手との闘い方に慣れていないのが最大の敗因と分析した。

 特に松本は国際大会が2007年アジア選手権以来2年半ぶりであり、欧州選手との対戦となると2006年世界選手権以来3年ぶりと間隔があいてしまった。このハンディも大きかったという。「組み合った瞬間、弱気になってしまうのかも。やはり慣れですね。前の世界選手権ではベラルーシを破っていて、地力はある。外国選手と闘う機会を多く与え、自分より力のある選手との闘いに慣れさせたい。日本にいてはできないことです」と話し、今後の奮起をうながしていた。


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