北京五輪米国女子コーチの八田忠朗氏が全日本女子合宿を見学【2009年8月11日】



 昨年の北京五輪で米国女子チームのコーチを務めた米国在住の八田忠朗氏がバケーションで7月下旬に帰国。男子全日本合宿、全国少年少女選手権、インターハイを観戦したあと、8月10日から東京・味の素トレーニングセンターを訪れ、全日本女子チームの練習を見学した(右写真=中央が八田氏)

 教え子のマルシー・バン・デュセンにタックル返しをさずけ、吉田沙保里選手の連勝記録をストップさせたコーチだが、現在は米国チームのコーチを離れている。日本のコーチはノーサイドの精神で日本レスリング生みの親・八田一朗氏の次男の来訪を迎えた。

 八田氏は全国少年少女選手権の熱気とハイレベルの技が展開されていることに驚いたようだが、「小さな頃からあまりやりすぎない方がいい、やりすぎると、高校あたりになるとレスリングが嫌になる」と話した。米国でも、親が自分のかなえられなかった夢を子供に託し、幼少の頃から厳しくするケースが少なくないそうだが、レスリングが嫌いになってしまい、長く続かないという。

 「レスリングを好きになることが大事。目先の勝敗にこだわらず、伸び伸びやらせた方がいいと思います」と言う。

 インターハイでは、技がうまい選手が多くて驚いたそうで、MVPを取った84kg級の細谷翔太朗選手(埼玉・花咲徳栄)のレスリングが気に入ったという。「体格、リーチや足の長さなどがレスリング選手として理想的。レッグホールドもすばらしい。タックルをしっかり覚えれば、無敵の選手になると思う」と評価。84kg級は米国で最も選手数の多い階級であり、「米国へ送ってしっかり練習すれば、世界で通用する選手になるでしょう」と期待した。

 体力は「気持ち次第でしょう。ランニングでも、ウェートトレーニングでも毎日やれば伸びる。体力はだれでもつくものです」と話した。

 今後、米国のコーチになるかどうかは分からないが、毎年、ノース・ミシガン大の訪日の仲介をしており、こうした交流は続けていきたい意向。日本とのつながりはまだ続きそうだ。


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