男子全日本チームが東京・味の素トレーニングセンターで合宿スタート【2009年7月20日】



 男子両スタイルの全日本チームが7月19日、東京・味の素トレーニングセンターで合宿をスタートした。世界選手権の代表が決まったあと、東京では初の合宿。8月4日からトルコ・アンカラで行われる世界ジュニア選手権の代表選手も加わっての合宿となった。

 佐藤満強化委員長(専大教)、伊藤広道副委員長(自衛隊)、久木留毅テクニカル・ディレクター(専大教)は、アゼルバイジャンで行われているゴールデンGP決勝大会に参加しているため不在。代わってグレコローマンの元木康年コーチ(自衛隊)が指揮を取り(右写真)、この日は約2時間半の技術練習を行った。

 元木コーチは今回の合宿を「先週、菅平でかなりハードにやった。その体力と気持ちを維持しつつ、技術の習得を目指す合宿」と位置づけた。自らは今月9〜12日のアジア・ジュニア選手権(フィリピン・マニラ)に参加。新ルールが正式に決まったあとの国際大会を経験し、レフェリングなどもアドバイスした。「全日本選抜選手権の時、パーテールポジションの時は両手をしっかり(相手の)背中につけることを言われた。世界ではアバウトだろうと思っていたが、徹底されていた」と言う。

 これまでコーチとして何度も参加してきた全日本合宿だが、トップのコーチとして指揮をとるのは初めて。練習前はかなり緊張していたが、「選手は自主的にやってくれているし、若いコーチも積極的にやっている。思ったよりやりやすかった」と振り返り、細かなことを言わなくとも練習をこなすチームの姿勢に満足そう。グレコローマン60kg級で全日本選抜選手権2位に入った笹本睦(ALSOK綜合警備保障)が、北京五輪前以来、約1年ぶりに全日本の合宿に参加し、「若手選手が刺激され、いい練習をやっている」と評価した。

 その笹本は「今回は合宿についていくことが目標」と謙虚。周囲からは「戻るべきところに戻ってきた」「チームに活気が出てきた」と思える“大黒柱”の全日本復帰だが、「練習がきつくて、そんな気持ちにはなれない。体力を戻すことが先」と言う。ただ、今後については「呼ばれる限り、参加します」と話し、2012年ロンドン五輪を目指して“全日本定着”を口にした。

 合宿は26日まで。24日にはゴールデンGP決勝大会に参加した選手も合流し、練習試合が行われる。


約1年ぶりの全日本合宿参加の笹本睦。 笹本の練習を見つめる元木コーチ。 技術指導をする田南部コーチ。

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