長谷川恒平(福一漁業)が北京五輪銀メダリストを破るなどして優勝…ゴールデンGP決勝大会第1日【2009年7月18日】



 【バクー(アゼルバイジャン)、ビル・メイ記者】国際レスリング連盟(FILA)が主催する賞金大会、ゴールデンGP決勝大会「ヘイダリ・アリエフ・メモリアル大会」は7月17日、アゼルバイジャン・バクーで開幕。男子グレコローマンが行われ、55kg級の長谷川恒平(福一漁業)が北京五輪銀メダリストを含めた4試合に勝って優勝。賞金1万ドル(約94万円)を獲得した(右写真、前列中央は伊藤広道監督)

 長谷川は初戦の2回戦で、北京五輪銀メダリストであり2006・08年にこの大会を制しているロブシャン・バイラモフ(アゼルバイジャン)を撃破。3回戦で峯村亮(神奈川大職)を破り、準決勝で2008年欧州3位のペトル・モドス(ハンガリー)を破って決勝進出を決めた。決勝では、イランの2番手選手のハジプアー・モフセンを2−0で下した。

 長谷川は今年2月にニコラ・ペトロフ国際大会(ブルガリア)とハンガリーカップ(ハンガリー)、5月にアジア選手権(タイ)で優勝しており、国際大会4大会連続優勝。9月の世界選手権への期待がふくらんだ。なお、優勝賞金1万ドルは世界のレスリング大会史上最高の賞金額であり、日本選手として獲得した賞金額としても最高となる。これまでの日本選手の最高は、2006年のこの大会で優勝した女子4選手の5000ドル。

 長谷川恒平選手の話「今年の(4度の国際大会の)優勝の中で、今回は一番うれしいです。オリンピック2位の人のほかにも、いろんな強い選手がいましたから。世界選手権に向けて、自信になりました」

 長谷川が決勝に進んだことで敗者復活戦に回った峯村は、バイラモフに0−2(0-1,0-1)で惜敗し、3位決定戦に進めなかった。

 60kg級の谷岡泰幸(自衛隊)と66kg級の藤村義(自衛隊)は、ともに初戦(2回戦)で敗れ、敗者復活戦でも勝てずに上位進出ならず。66kg級の清水博之(自衛隊)は初戦で敗れて敗者復活戦に回れなかった。

 各選手の成績は下記の通り。(撮影もビル・メイ記者)


 ◎男子グレコローマン

 【55kg級】長谷川恒平(福一漁業)     優勝=17選手出場

1回戦   BYE
2回戦  ○[2−0(2-0,3-2)]Rovshan Bayramov(アゼルバイジャン)

【2回戦1P】初戦で五輪銀メダリストと対戦した長谷川(青) 【2回戦1P】リフトで投げられたが、相手のグリップの関係でノーポイント。 【2回戦2P】相手の攻撃を長谷川が上になってポイントにつなげる。 【2回戦2P】五輪銀メダリストに無失点の2−0で勝利。

3回戦  ○[2−0(1-0,3-0)]峯村亮(日本)
準決勝 ○[2−1(0-1,1-0,1-0)]Peter Modos(ハンガリー)

【3回戦1P】日本人対決。長谷川(赤)が峯村にガッツレンチを決めた。 【3回戦2P】峯村の腰投げのような仕掛けを、長谷川が押し倒す。 【準決勝2P】相手のガッツレンチをこらえた長谷川(赤)。ピリオドスコアは1−1へ。 【準決勝3P】相手を前に崩した長谷川。貴重な1点を獲得。

決  勝 ○[2−0(2-0,1-0)]Haji pour Mohsen(イラン)

 《試合経過》長谷川が固い構えを見せ、第1ピリオドのグラウンドの攻撃権でパーテールポジションからきれいにガッツレンチ決めて、このピリオドを先取。第2ピリオドはスタンド、グラウンドとも硬いデフェンスでしのぎ、1点を取って優勝を決めた。

【決勝1P】国際大会4大会連続優勝をかけてマットに上がった長谷川(赤) 【決勝1P】グラウンドの攻撃権で見事にガッツレンチを決めた。 【決勝2P】今度はグラウンドの防御。しっかり守り切った。 【決勝2P】今年に入って国際試合全勝。世界選手権へ期待がふくらんだ。

 【55kg級】峯村亮(神奈川大職)     9位=17選手出場

1回戦   BYE
2回戦  ○[2−0(1-0,1-0)]Lasha Gogitadze(グルジア)
3回戦  ●[0−2(0-1,0-3)]長谷川恒平(日本)

敗復戦 ●[0−2(0-1,0-1)]Rovshan Bayramov(アゼルバイジャン)

 《試合経過》北京五輪銀メダリストに対し、よく戦ったが、第1ピリオドのグラウンドの防御で、バイラモフからきれいにリフトされ、このぴリオをを先取された。第2ピリオド、バイラモフののくぐりタックルをよく守ったが、スタンドのラスト5秒にくぐりでバックを取られた。そのためグラウンドの攻撃権がなくなって逆に防御をしいられ、またリフトされて1失点。ピリオドスコア0−2で終了。


 【60kg級】谷岡泰幸(自衛隊)     16位=18選手出場

1回戦   BYE
2回戦  ●[0−2(0-1,0-3)]Aslan Abdullin(ロシア)

敗復戦 ●[0−2(0-1,0-1)]HAMID Bavafa(イラン)

 《試合経過》谷岡は第1ピリオドのパーテールポジションの攻撃のチャンスに不発で、相手先取。第2ピリオド、テークダウンされ、守りのポイントの取るチャンスがななくなった。

【2回戦1P】谷岡(赤)のグラウンドの攻撃だが不発。0−1と先制される。 【2回戦2P】グラウンドの防御の谷岡は相手の頭の方へ返された。

 【66kg級】藤村義(自衛隊)     11位=20選手出場

1回戦   BYE
2回戦  ●[1−2(0-3,1-0,0-1)]Farid Mansurov(アゼルバイジャン)

敗復戦 ●[1−2(0-3,1-0,0-1)]Lorinjs Tamas(ハンガリー)

 《試合経過》昨年のこの大会のチャンピオンで、北京五輪8位の選手に対して、藤村が最初にグラウンドの攻撃のチャンスだったが、返されて0−3で先取された。第2ピリオドはしっかり防御して、ピリオドスコアは1−1へ。

 第3ピリオド、また0−0で、内容差によって相手に選択権。防御を選ばれた。藤村はリバース・グリップを取ったものの、返すことができなかった。

【2回戦1P】アテネ五輪金メダリストと相対した藤村(青)。 【2回戦3P】第3Pまでもつれたが、最後のグラウンドを返せなかった。

 【66kg級】清水博之(自衛隊)     13位=20選手出場

1回戦 ●[1−2(0-2,2-0,0-1)]MACHUTADZE Mukhran(グルジア)

【1回戦2P】グラウンドの攻撃の清水(青)がガッツレンチを決める。 【1回戦2P】さらに腕とりでフォールを狙った清水。

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