【特集】精神面が課題…2006年世界3位の高塚紀行(日大コーチ)【2009年6月22日】

(文=増渕由気子、撮影=矢吹建夫)


 昨年の北京五輪代表は逃したものの、2006年世界選手権60s級3位、昨年アジア選手権2位の高塚紀行(日大コーチ)が、またも初戦でつまづいた。

 昨年12月の天皇杯全日本選手権では、試合中のアクシデントで足を負傷。第1シードでの出場ながら初戦で前田翔吾(日体大)に敗退した。負けたのは“事故”というイメージが強く、今回も優勝候補の筆頭だったが、昨年のこの大会決勝で下した小田裕之(国士舘大)にストレート負けを喫してしまった。

 第1ピリオドの早々、小田を場外に押し出して1点を獲得するが、残り15秒で小田がタックルから場外ポイントを奪いリードを奪われ逆転された。第2ピリオドも前に出続けた高塚が、小田を場外に追いやって先制するが、残り10秒で足がそろったところを両足タックルを受けて痛恨の1失点。この時点で今年の世界選手権の夢が断たれてしまった。

 「試合に向けて仕上げてきた」と万全の調整だったようだが、第2ピリオドでリードを奪いながら、最後テークダウンを許したことは「自分の弱さ」と精神面の課題を挙げていた。「仕事の関係で練習量が足りなかった。でも、みんな仕事をしながらレスリングをやっているので、言い訳にならない。現役を続ける以上、練習と仕事をしっかり両立できるように頑張らなければ」と気を引き締めていた。


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