【特集】家族総出の応援にこたえて初優勝! 女子58s級・鈴木紅夏(太田倶楽部)【2009年6月15日】



 沼尻直杯全国中学生選手権の女子58s級は、群馬・太田倶楽部の鈴木紅夏が制した。4歳でレスリングを始めた鈴木は、小学校2年になると「もっと強くなりたいから」と、隣町にある太田倶楽部にまで通うようになる。送り迎えは両親が車でやってくれ、家族総出でレスリングに取り組んできた。太田倶楽部の練習は基本週2日だが、向上心のある鈴木はほぼ毎日通っていた。それもすべて「全中(全国中学生選手権)で優勝するため」だ。

 決勝戦では古市雅子(東京・稲付)に何もさせずにフォール勝ち。古市は柔道出身でレスリング歴はわずか1年2ヶ月の新人選手だが、JOCの管轄でエリート教育を受けている選手。そんな古市をズバッとフォールで下したことは、鈴木にとってうれしかったに違いない。優勝を決めると、今村直樹監督に駆け寄って涙を流しながら抱きついた(右写真)

 1年生の時は初戦敗退、2年生で3位に入賞。毎年確かな成長を見せて、今年初めて栄冠をつかんだ。今村監督は「1年生で勝てるほど、全中は甘くない。1回戦で負けるということは、全中の厳しさを知るという点ではいいこと。そこから少しずつレベルアップしていくことが優勝、そして強くなるための一番の近道です。全中はまぐれで勝つ大会ではないのです」と熱弁。鈴木の3年間は、今村監督にとってまさに理想的な展開だった。

 レスリングの目標は全国中学生チャンピオンになることだった。その目標を達成した鈴木は、「次は高校で優勝できるように」と、新たな目標を掲げていた。

(文=増渕由気子、撮影=矢吹建夫)


《iモード=前ページへ戻る》
《前ページへ戻る》