全日本女子チームが今年3度目の合宿を新潟・十日町でスタート【2009年6月1日】



 世界選手権(9月21〜27日、デンマーク・ヘルニング)の代表選手を含む全日本女子チームが5月31日、新潟県十日町市の桜花レスリング道場で今年3度目の合宿をスタートした。アジア・ジュニア選手権(7月9〜12日、フィリピン・マニラ)、アジア・カデット選手権(7月31日〜8月2日、インド・プネー)、世界ジュニア選手権(8月4〜9日、トルコ・アンカラ)の代表候補選手を含めて総勢39選手が、今年初の“虎の穴”合宿に臨んだ。午後集合の初日はマットワークだけだったが、1日からは名物の山道ランニングなど自然の中でじっくりと体力アップをはかる。

 この日は日本協会の福田富昭会長が来訪。選手に「昔は3分3ラウンド、早朝計量というルールで、とにかく体力が必要だった。今のルールは(自分は)経験していないが、どんなルールであっても体力とスタミナがなければ勝てない。体力をつけることで技を決めることができる」と話し、体力づくりの重要性を訴えた。

 栄和人強化委員長(中京女大教)は「アテネ・オリンピックで好成績を残し、その後は4人の代表選手に頼ってきた面があった。今年は1からやり直しの年。今の日本女子の強さは、18年前にこの道場ができた時、どの選手も音をあげた地獄の練習をやったことに始まる。あの練習の厳しさは、十日町でしかできない」とし、初めて桜花道場での合宿に参加する10人ほどの選手を含めてどの選手にも猛練習を課すという。

 桜花道場での合宿は、味の素トレーニングセンター以上に選手と生活をともにできる利点があるという。「食が細いとか、好き嫌いがあるとか、だらしないとか、生活のすべてが分かる。練習だけではなく、こうしたことをきちんとさせたい。地獄の練習をくぐり抜けた選手には私生活でも襟(えり)を正させた。最近はそれがおろそかになっていた。単に勝てばいいではなく、社会人として、女性として、必要なマナーや常識、教養を身につけさせたい。そうした中から強い選手が生まれるのであり、だらしなく、私生活がしっかりしていない選手では強くなれるはずがない」と話した。

 寝食をともにすることからコーチと選手とに一体感が生まれるそうで、「チームが一丸となるために、今回の合宿は公私とも厳しくやりたい」と話した。合宿は5日まで。


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