【全日本女子選手権優勝選手】67kg級・井上佳子(中京女大)【2009年4月7日】



 67kg級は2007年の世界選手権で5位になっている井上佳子(中京女大)が、意外にも初の優勝を飾った。4人のエントリーのため2試合勝っての優勝だったとはいえ、世界への再挑戦を目指す井上にとってはうれしい連続優勝。2年ぶりの世界選手権出場を手中にした。

この階級の前年チャンピオンは2008年世界選手権63kg級で優勝した西牧未央(中京女大)。世界選手権優勝後、西牧は「この階級(63kg級)で闘いたい。そして(伊調)馨さんに挑戦したい」と話し、正式に階級変更を表明した。67s級にエントリーしている選手にとっては“目の上のタンコブ”的な存在がいなくなったことになる。西牧が階級を下げたことにより、ある意味では激戦区になったはずだ。

 決勝の相手は全日本選手権の決勝と同じ飯島千晶(日大)。飯島の右足に執拗にタックルにいく井上だが、飯島は切ってスタンドの攻防へ。またも井上は右足へ片足タックルを仕掛ける。これがフェイントとなり、井上はバックに回って1ポイントを先制。井上が第1ピリオドを取った。第2ピリオドは差し合いの攻防から井上が右脚へ片足タックルを仕掛けバックに回って1ポイント先制。さらにテークダウンで1ポイント追加。頂上を見ている選手とこれから見るであろう選手の差が表れ、井上がポイントを奪われることなく世界選手権のキップを手にした。


 井上佳子の話「大会前は今回勝てば世界選手権の代表候補になれるということで、とにかく勝とうと頑張りました。2007年の世界選手権で5位に終わって悔しい思いをしているので、今回は勝ちにいきたいと思います。今日の試合を振り返ってみると、今までの試合では自分が先にポイントを取ると守りに入ってしまうことが多かったのですが、今日は攻められることができたと思います。吉田(沙保里)先輩と一緒に練習させていただいていて、階級は自分のほうが上なのに、スピードだけでなく体力も吉田先輩が上回っているので、とても勉強させてもらっています。」

(文=三次敏之、撮影=矢吹建夫)


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