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関東勢が6階級で優勝…風間杯全国高校選抜大会最終日(個人戦)【2010年3月29日】

(文=増渕由気子、撮影=飯島隆)
 

 風間杯全国高校選抜大会最終日は3月29日、新潟・新潟市体育館で個人の決勝までが行われ、8階級中6階級が関東勢が制した。前日の学校対抗戦で優勝した霞ヶ浦(茨城)からは74s級で昨年の国体王者・坂本悠太、84s級の松野裕也、120s級で昨年の国体王者・前川勝利の3人が優勝した。66s級関東高校選抜王者の保坂健(埼玉・埼玉栄)も今大会で勝った。

 昨年のインターハイでは1年生王者が2人も誕生したが、今大会は3人の1年生(新2年生)が優勝した。50s級の山崎達哉(東京・自由ヶ丘)と55s級の高橋侑希(三重・いなべ総合)はインターハイに続いての栄冠。96s級の山本康稀(埼玉・花咲徳栄)も圧倒的な力で王者となった。

 60s級では、鴨居正和(香川・香川中央)が初優勝。香川中央として始めての全国高校選抜王者になった。

 各階級の成績は下記の通り。



《トーナメント表=pdfファイル》
50kg級 55kg級 60kg級 66kg級 74kg級 84kg級 96kg級 120kg級


 【50kg級】

 ▼準決勝
山崎達哉(東京・自由ヶ丘)○[2−0(@-1,1-0]●山崎拓馬(静岡・飛龍)
太田忍(山口・柳井学園)○[2−0(3-0,1-0=2:02]●伊藤優(長崎・島原)

 ▼決勝
山崎達哉(東京・自由ヶ丘)○[2−1(2-0,5-1,B-3)]●太田忍(山口・柳井学園)

 
《試合経過》1年生同士の決勝戦。第1ピリオドの後半、山崎がタックルでテークダウンを決める。第2ピリオド、20秒に太田ががぶり返しで2点。山崎がバックに回って1点を返すが、1分25秒に再び太田がタックルで1点。ニアフォールに持ち込んで2点を追加して5−1。

 第3ピリオドは、太田がタックルに入るが、山崎が回りこんでバックを奪おうとする。太田が巻いて2点+1点を追加するが、山崎の強引なアンクルホールドが決まって2点。ラストポイント差で山崎が勝った。山崎は昨年インターハイ、国体に続いて1年生で3つ目のタイトル獲得。


 【55kg級】

 ▼準決勝
高橋侑希(三重・いなべ総合)○[2−0(A-2,TF6-0=0:33]●朝比奈健人(茨城・霞ヶ浦)
佐藤悠一(青森・青森商)○[2−1(3-0=2:03,0-4=2:02,@-1)]●岡本祥八(佐賀・鹿島実)

 ▼決勝
高橋侑希(三重・いなべ総合)○[2−0(TF9-3=1:55,4-0)]●佐藤悠一(青森・青森商)

 
《試合経過》第1ピリオドは高橋が相手の手を取ってテークダウン。バックに回ると得意のローリングを2回決める。だが、3回目に佐藤が上手く乗ってフォール体制へ。高橋は何とか逃げる。今度は佐藤がローリングをしかけたところで高橋が乗って9−3としてテクニカルフォール。第2ピリオドの20秒、高橋は両足タックルで持ち上げて場外1ポイントを獲得。組み手でも相手を翻ろうし、残り15秒、佐藤が不用意に入ったタックルを返して試合終了。


 【60kg級】

 ▼準決勝
桑原諒(静岡・飛龍)○[2−0(TF7-0=1:37,TF7-0=0:47)]●長沼克哉(岐阜・岐阜工)
鴨居正和(香川・香川中央)○[2−1(1-0,1-@,1-0=2:04)]●新川武弥(京都・網野)

 ▼決勝
鴨居正和(香川・香川中央)○[2−0(3-0,0-3=2:01)]●桑原諒(静岡・飛龍)

 
《試合経過》第1ピリオド、54秒に桑原が片足タックルに入ったところを、鴨居が押し倒して2点。桑原は終了間際に捨て身のがぶり返しを打つが、鴨居が落ち着いて潰して1点を追加。3−0で折り返し。第2ピリオド、ラスト5秒に互いにタックルを打ち合うがノーポイントで、クリンチへ。優先権は青の鴨居。落ち着いてテークダウンを決めた。


 【66kg級】

 ▼準決勝
保坂健(埼玉・埼玉栄)○[2−0(1-0=2:04,TF6-0=1:29)]●嶋田大育(青森・青森商)
川村健太(静岡・飛龍)○[2−0(2-0,3-0=2:05)]●松元縄太郎(鹿児島・樟南)

 ▼決勝
保坂健(埼玉・埼玉栄)○[2−0(1-0=2:01,1-0)]●川村健太(静岡・飛龍)

 
《試合経過》保坂がタックルから、投げ技をしかけるが、川村は小手でしのいで0点。クリンチの優先権は保坂で無難に決める。第2ピリオド、残り3秒で保坂が場外ポイントを奪って優勝。


 【74kg級】

 ▼準決勝
坂本悠太(茨城・霞ヶ浦)○[2−0(2-0,2-0]●金光輝明(兵庫・育英)
山原健太(京都・京都八幡)○[2−0(1-0,2-A,6-1)]●土井翔馬(滋賀・日野)

 ▼決勝
坂本悠太(茨城・霞ヶ浦)○[2−0(3-0=2:03,5-0,2-0)]●山原健太(京都・京都八幡)

 
《試合経過》第1ピリオド、仕掛けるのが坂本。山原を揺さぶるがノーポイントで終了。クリンチの優先権は青の山原。落ち着いて決めてリードを奪う。第2ピリオド20秒で坂本が両足タックルで1点、再度タックルからのニアフォールで5−0。第3ピリオドは、18秒に坂本が左片足タックルで持ち上げて2点。そのまま逃げ切った。


 【84kg級】

 ▼準決勝
松野裕也(茨城・霞ヶ浦)○[2−0(2-0,4-0)]●原田優輝(秋田・明桜)
笹川久志(新潟・白根)○[2−0(3-0,3-1)]●櫻庭正義(秋田・秋田商)

 ▼決勝
松野裕也(茨城・霞ヶ浦)○[2−0(1-0,1-0)]●笹川久志(新潟・白根)

 
《試合経過》第1ピリオド、前にプレッシャーをかけるのは笹川。ゾーン際まで松野を追い込むが、松野はうまいコーナーワークでしのぐ。1分46秒、松野が笹川を振って落として、バックを奪って1点。第2ピリオド、笹川がタックルを出してバランスの崩れたところを松野が場外へ追い出し、1ポイントをゲット。それを守って松野が勝利。


 【96kg級】

 ▼準決勝
戸塚誠(千葉・佐倉南)○[2−1(0-3,TF0-7=2:00,2-1)]●森祐貴(岐阜・岐南工)
山本康稀(埼玉・花咲徳栄)○[フォール2P1:51(6-2,TF11-4)]●志喜屋正明(沖縄・浦添工)

 ▼決勝
山本康稀(埼玉・花咲徳栄)○[2−0(TF9-1=1:42,TF6-0=0:13)]●戸塚誠(千葉・佐倉南)

 
《試合経過》第1ピリオド、試合開始直後に山本がタックルで1点。その後、戸塚がバックを奪い返して、ローリングに移行するが、山本は上手く乗ってフォール体制、その後もリードを広げてテクニカルフォール。第2ピリオドも、開始早々3点タックルを2回で勝利を決めた。


 【120kg級】

 ▼準決勝
前川勝利(茨城・霞ヶ浦)○[フォール2P0:13(TF1-0=2:08,3-0)]●遠山貴文(岐阜・岐南工)
茂木一浩(栃木・足利工付)○[2−0(2-0,1-0)]●宇野信之(隠岐擁護学校)

 ▼決勝
前川勝利(茨城・霞ヶ浦)○[2−0(2-0,2-0)]●茂木一浩(栃木・足利工付)

 
《試合経過》第1ピリオド、第2ピリオド、ともに場外ポイントを2回重ねて前川が勝利した。


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