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全日本女子チームが今年3度目の合宿スタート【2010年4月8日】


 3月末のワールドカップ(W杯=中国)の代表メンバーを中心とした全日本女子チーム(約35選手)が4月7日、東京・味の素トレーニングセンターで合宿をスタート。世界選手権の代表を争う明治乳業杯全日本選抜選手権(5月1〜3日、東京・代々木競技場第2体育館)を控えながらも、“呉越同舟”で実力アップをはかった(右下写真)

 栄和人・女子強化委員長(至学館大教)は「明治乳業杯を目指して各所属で練習するべき時期かもしれない。しかしワールドカップの反省点が頭の中に残っているうちに、その課題に向き合って実力アップをはかってほしいと思い、実行した」と、決戦の約3週間前の全日本合宿実施の目的を説明した。

 W杯出場選手は大会後、日本協会の福田富昭会長から1人1人に課題点を伝えられていたが、今回の合宿はその指摘と各自で感じた反省点を練習前のミーティングで発表させることから始まった。「話すことで課題をもう一度確認させ、出場していない選手に世界で闘うために必要なことを知ってほしい」という栄委員長のアイディア。どの選手も伝えられた課題をきちんと話し、栄委員長は「みんなきちんと頭の中に入れていることが分かった。世界で勝とうという意識が高い」と満足そう。

 それだけに、W杯で4年連続で優勝を逃したことに責任も感じている。「中国がベストメンバーかどうか分からない状況だったにもかかわらず優勝できなかったことは、コーチも反省しなければならない。練習方法を見直したい。試合の最初から、そして大会の最初から、すべての力を出せる練習が必要」と、スロースターターの返上を掲げるとともに、攻撃力のアップを重点課題に挙げた。

■W杯負傷の後遺症はなし…浜口京子

 W杯でわき腹を痛めた72kg級の浜口京子(ジャパンビバレッジ)は、精密検査の結果、骨折はしておらず、この合宿にも元気な姿を見せた。国内でのライバルと考えられる井上佳子(至学館大)は授業履修の関係で不参加だが、ジュニアクイーンズカップの72kg級で優勝した立光志織(OHJI DRIVING SCHOOL)からの“挑戦”を受け、内容の濃い練習ができたもよう
(左下写真)

 浜口は「ワールドカップに出させてもらい、こうしてみんなと練習でき、実践によって課題を直すことができます。実力アップのいい機会です」と話す。負傷のブランクも後遺症もなく、調子を上げて全日本選抜選手権に臨むことができそう。

 挑む立光は、昨年はアジア・ジュニア選手権の63kg級で優勝した選手。国立スポーツ科学センター(JISS=味の素トレセンに併設)で専門的にウエートトレーニングに取り組んだ結果、筋肉がついて、63kg級での試合は減量がきつくて自分の動きができなくなったという。「どうせなら五輪実施階級の72kg級で」と2階級アップを決め、浜口に照準を絞った。

 「オリンピックのメダリストの強さを肌で感じています。でも、全日本合宿の時以外では闘うことができないので、積極的に向かっていきます。
大会では、ぜひ闘いたいです」と気合十分。72kg級に新星が誕生するか。

 また、昨年末に現役復帰を決め、1階級下の48kg級で全日本選抜選手権へ挑む坂本日登美(自衛隊)は、“肉体改造”が順調に進み、通常体重が51kgにまで下がったという。「減量の心配はなく大会に臨めそうです」とのこと。

 合宿は12日まで行われる。

W杯4戦無敗と実力を見せた63kg級の伊調馨(ALSOK綜合警備保障)。 浜口京子のが城に挑むことになった63kg級アジア・ジュニア・チャンピオンの立光詩織。 W杯欠場の吉田沙保里(ALSOK綜合警備保障=右から2人目)も元気に参加。

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