▲一覧ページへ戻る

【世界選手権代表決定選手】男子グレコローマン96kg級・北村克哉(FEG)【2010年5月2日】

(文=増渕由気子、撮影=矢吹建夫)
 

 男子グレコローマン96s級は全日本選手権王者の北村克哉(FEG)が優勝。プレーオフなしで世界選手権出場を決め、11月のアジア大会代表も射程距離においた。

 決勝をスタンド、グラウンドともに申し分のない内容で締めた北村は「優勝は素直にうれしい」とほほを緩めた
(右写真=プレーオフの第1ピリオドにガッツレンチを決めた北村)。それもそのはず。体は満身創い。「右かかとが骨折していました」と十分な練習が積めずにいた。

 2012年ロンドン五輪を見据え、手術に踏み切る手段もあったが、長期離脱を避けて調整を続けた。 「できることをやってきて(試合には臨んだが)、体重も軽くなってしまった」という中での優勝だけに、ホッとした様子だ。

 グレコローマンに転向し、国内で無敵の王者になって約2年。あとは海外で結果を残すだけだ。昨年はアジア選手権(タイ)、世界選手権(デンマーク)ともに初戦敗退。だが、内容的には元世界王者相手に善戦するなど競り合った部分もあり、今年は白星を勝ち取りに行きたいところだ。「デンマークなどでいろいろ考えることがあった。今年もベストを尽くして頑張りたい」と言う。

 今年は11月に4年に1度の祭典であるアジア大会を控えている。北村は、4年前にフリースタイル120s級の世界選手権代表になったものの、結果を残す見込みがないとされて派遣カットという悔しい思いを味わっている。「(海外で)結果を残したい。スタンドで一本決め、すぐさまローリングにつなげるレスリングを」と自分のスタイル確立を目標に挙げた。

 優勝の思わぬ“副賞”となったのが、表彰式のプレゼンターが元朝青龍だったこと。「朝青龍に『いい体してますね』って言われました」と誉められたことはうれしかったようだ。


  ▲一覧ページへ戻る