▲一覧ページへ戻る

女子63kg級は伊調馨(ALSOK綜合警備保障)…明治乳業杯全日本選抜選手権最終日【2010年5月3日】


 明治乳業杯全日本選抜選手権最終日は5月3日、東京・代々木競技場第2体育館で男女7階級が行われ、女子63kg級は2004年アテネ・2008年北京両五輪金メダルの伊調馨(ALSOK綜合警備保障)が決勝で山本聖子(スポーツ・ビズ)をフォール勝ち。世界選手権出場を決めた。2度の五輪を含め8度目の世界大会に臨む
(右写真=決勝で闘う伊調)

 男子フリースタイル55kg級と60kg級、男子グレコローマン74kg級は、いずれも全日本チャンピオンが優勝できずにプレーオフへもつれたが、最終的にそれぞれ稲葉泰弘(警視庁)、小田裕之(国士舘大)、鶴巻宰(自衛隊)の全日本王者が勝ち、世界選手権へ出場することになった。

 男子グレコローマン55kg級は長谷川恒平(福一漁業)が勝って2年連続2度目の世界選手権へ。女子55kg級は吉田沙保里(ALSOK綜合警備保障)が優勝し、五輪2度を含めて10度目の世界大会優勝を目指す。女子72kg級は浜口京子(ジャパンビバレッジ)が優勝。五輪2度を含め16度目の世界大会へ出場する。

 最優秀選手に贈られる明治乳業杯は男子フリースタイル66kg級の米満達弘(自衛隊)が受賞。優秀選手は、男子フリースタイルが60kg級優勝の前田翔吾(ニューギン)、男子グレコローマンが66kg級優勝の藤村義(自衛隊)、女子は48kg級優勝の坂本日登美(自衛隊)がそれぞれ受賞した
(左写真=選手左から坂本、米満、前田、藤村)

 各階級の成績は下記の通り。



《トーナメント表=pdfファイル》
一覧表 男子フリースタイル 男子グレコローマン   女  子   個人賞
55kg級 60kg級 55kg級 74kg級 55kg級 63kg級 72kg級


 ◎男子フリースタイル

 【55kg級】

 ▼1回戦
須藤学(日大)○[2−1(0-3,4-1,3C-3)]●岩永竜太(群馬大)
松永共広(ALSOK綜合警備保障)○[2−0(1-0,3-0)]●富岡直希(NEWS DERI)

 ▼2回戦
稲葉泰弘(警視庁)○[2−0(TF7-0=1:41,TF7-0=0:44)]●須藤学(日大)
守田泰弘(山口県協会)○[2−0(1-0,1-0)]●長尾武沙士(近大)
湯元進一(自衛隊)○[2−0(1-0,3-0)]●谷口徹(自衛隊)
松永共広(ALSOK綜合警備保障)○[2−1(3-0,3-5,TF7-5=1:44)]●冨田和秀(自衛隊)

 ▼準決勝
稲葉泰弘(警視庁)○[2−0(3-0,2-0)]●守田泰弘(山口県協会)
湯元進一(自衛隊)○[2−1(0-3,3-0,1C-1)]●松永共広(ALSOK綜合警備保障)

 ▼決勝
湯元進一(自衛隊)○[2−1(3-2,0-2,3-1)]●稲葉泰弘(警視庁)
 
《試合経過》第1ピリオド1分15秒、湯元が左脚へのタックルで1点を先制。終盤、稲葉が左へのタックル。湯元は横に回して両者の体が一回転し、両者2点となって湯元が3−2へ。第2ピリオドは稲葉が開始早々にタックルで1点。終了間際に湯元が片足タックルで攻めたが、もつれて両者の体が回転したが、両者の―ポイント。湯元陣営からチャレンジが要求されたが、ビデオチェックの結果、裁定は変わらず、稲葉に1点が入った。

 第2ぴリオ雄dは稲葉が左脚へのタックルからバックを取って1点。終了間際に稲葉が再度左脚へのタックル。湯元が横に返し、ニアフォールを5秒以上続けて3−1と逆転勝ち。

※湯元は3年連続3度目の優勝

 ▼プレーオフ
稲葉泰弘(警視庁)○[2−1(0-2,1-0,3B-3))]●湯元進一(自衛隊)
 《試合経過》第1ピリオド、湯元がタックルから場外に押し出して1点。後半にも場外へ出して2−0。第2ピリオドは稲葉が中盤に回り込んで1点を取り、そのポイントを守った。

 第3ぴリオドは1分30秒に湯元が仕掛け、ラスト10秒で1点を先制。稲葉が体勢を整えると、がぶり返しで後方へ投げ投げ、両者2点が入った。稲葉陣営からチャレンジ。ビデオ・チェックの結果、稲葉のがぶり返しが3点となり、それを返した湯元に2点。3−3のビッグポイントの差で稲葉が辛勝した。

 ※稲葉は初の世界選手権出場へ


 【60kg級】
 ▼1回戦
石田智嗣(早大)○[2−0(1-0,2-0)]●柏木健太(早大)
内村勇太(拓大)○[2−0(3-1,2-1)]●野田寛人(自衛隊)

 ▼2回戦
石田智嗣(早大)○[2−1(0-3,1-0,1-0)]●小田裕之(国士舘大)
前田翔吾(ニューギン)○[2−0(4-0,5-2)]●菊地憲(警視庁)
湯元健一(ALSOK綜合警備保障)○[2−0(TF6-0=1:24,TF7-0=1:44)]●洞口幸太(マイスポーツハウス)
高塚紀之(自衛隊)○[2−0(1-0,3-0)]●内村勇太(拓大)

 ▼準決勝
前田翔吾(ニューギン)○[2−0(2-0,1C-1)]●石田智嗣(早大)
高塚紀之(自衛隊)○[2−0(1-0,1-0)]●湯元健一(ALSOK綜合警備保障)

 ▼決勝
前田翔吾(ニューギン)○[2−0(3-0,1-0)]●高塚紀之(自衛隊)
 《試合経過》第1ピリオド19秒、前田がタックルで1点を先取。さらにタックルから一気にニアフォールへ追い込み、3−0へ。第2ピリオドは0−0で進んだ後、ラスト3秒に前田がタックルを決めて貴重な1点を取った。

 ※前田は2年連続2度目の優勝

 ▼プレーオフ
小田裕之(国士舘大)○[2−0(3-0,2-1)]●前田翔吾(ニューギン)
 《試合経過》第1ピリオドは2分間を0−0。クリンチ権と取った小田がテークダウン決めた。第2ピリオド、小田がラッシュして場外へ出して1点。1分30秒に前田がタックルで1点を返したが、小田は立ち上がると逆にタックルを仕掛けて場外へ出し、2−1。そのまま振り切った。

 ※小田は初の世界選手権出場へ


 ◎男子グレコローマン

 【55kg級】
 ▼1回戦
尾形翼(山形県協会)○[2−0(3-0,3-2)]●椛山大騎(自衛隊)
山下誠司(群大クラブ)○[2−1(2-0,0-4,2-0)]●大谷康太(専大)

 ▼2回戦
長谷川恒平(福一漁業)○[2−0(1L-1,5-0)]●尾形翼(山形県協会)
村田知也(三重・久居高校教)○[2−0(1-0,2-0)]●清水早伸(自衛隊)
禎卓也(自衛隊)○[2−0(1-0,5-0)]●梶雅晴(山梨学院大)
峯村亮(神奈川大職)○[2−1(1-0,0-1,TF6-0=1:55)]●山下誠司(群大クラブ)

 ▼準決勝
長谷川恒平(福一漁業)○[2−0(4-0,1-0)]●村田知也(三重・久居高校教)
峯村亮(神奈川大職)○[2−0(1-0,3-0)]●禎卓也(自衛隊)

 ▼決勝
長谷川恒平(福一漁業)○[2−0(3-0,2-0)]●峯村亮(神奈川大職)
 《試合経過》第1ピリオドのスタンド戦は0−0。先にグラウンドの攻撃となった長谷川は、横崩しを決め、押さえ込んで3−0へ。第2ピリオドはスタンドで背後に回った長谷川が、その体勢から一気にローリングへ移行し2点。グラウンドの攻撃ではポイントがなかったが、2−0で勝った。

 ※長谷川は3年連続3度目の優勝、2年連続2度目の世界選手権出場へ


 【74kg級】
 ▼1回戦
香西順平(青山学院大)○[2−1(0-1,1-0,1-0)]●田中悠一(岡山・倉敷支援学校講)
青木昇太(徳山大)○[2−0(3-0,1-0)]●北川幸一(松阪クラブ)
金久保武大(マイスポーツハウス)○[2−0(1-0,3-0)]●長洞啓太(山梨学院大OB)
中井伸一(中大)○[2−1(1-0,0-1,2-0)]●近藤弘志(岐阜県協会)

 ▼2回戦
鶴巻宰(自衛隊)○[2−0(TF6-0=0:32,1-0)]●香西順平(青山学院大)
武富隆(早大)○[2−0(1-0,2-0)]●青木昇太(徳山大)
金久保武大(マイスポーツハウス)○[2−0(1-0,3-0)]●葛西直人(自衛隊)
角功介(自衛隊)○[2−0(1-0,2-0)]●中井伸一(中大)

 ▼準決勝
鶴巻宰(自衛隊)○[2−0(4-0,1-0)]●武富隆(早大)
金久保武大(マイスポーツハウス)○[2−0(2-0,1-0)]●角功介(自衛隊)

 ▼決勝
金久保武大(マイスポーツハウス)○[2−1(1-0,0-1,3-0)]●鶴巻宰(自衛隊)
 《試合経過》第1、2ピリオドともスタンド戦は0−0で、グラウンドもお互いにポイントがなく、ピリオド・スコアは1−1へ。第3ピリオドもスタンド戦は0−0。グラウンドの攻撃となった金久保は俵返しを決めて3−0とした。

 ※金久保は2年連続2度目の優勝

 ▼プレーオフ
鶴巻宰(自衛隊)○[2−1(2-0,0-1,3-0)]●金久保武大(マイスポーツハウス)
 《試合経過》第1ピリオドのスタンド戦は0−0。グラウンドの攻撃の鶴巻はがぶり返しを決めて2−0へ。第2ピリオドは1分28秒に金久保が場外へ押し出して1−0とし、そのままのスコアで勝った。第3ピリオドのスタンド戦は0−0。グラウンドの攻撃となった金久保はリフト狙い。しかし体勢が崩れ、鶴巻が乗って3点をゲット。逆転勝ちした。

 ※鶴巻は2年連続3度目の世界選手権出場へ


 ◎女子

 【55kg級】


 ▼1回戦
吉田沙保里(ALSOK綜合警備保障)○[2−0(TF6-0=0:42,TF5-0=1:25)]●浜田千穂(東京・日本工大駒場高)
新井千明(早大)○[2−1(0-1,2-0,3-0)]●木下茜(法大)
坂上嘉津季(愛知・至学館高)○[2−0(TF8-0=1:38,3-0)]●高橋春花(郡山女短大クラブ)
松川知華子(ジャパンビバレッジ)○[2−0(TF6-0=0:47,3-0)]●吉田理乃(至学館大)

 ▼準決勝
吉田沙保里(ALSOK綜合警備保障)○[フォール、1P0:35(F4-0)]●新井千明(早大)
松川知華子(ジャパンビバレッジ)○[フォール、1P1:17(F5-0)]●坂上嘉津季(愛知・至学館高)

 ▼決勝
吉田沙保里(ALSOK綜合警備保障)○[2−0(TF6-0=1:33,TF6-0=1:28)]●松川知華子(ジャパンビバレッジ)
 《試合経過》第1ピリオド15秒、吉田がタックルで1点。44秒、1分15秒にもタックルで1点を取り、そのまま5秒以上押さえ込んで3(2+1)点を取って6−0のテクニカルフォール。第2ピリオドは25秒に吉田が正面タックルで3点。中盤にもカウンターのタックルで1点を取り、アンクルホールドで2点を加え。またしても6−0。

 ※吉田は全日本女子選手権と合わせ9年連続9度目の優勝


 【63kg級】

 ▼1回戦
伊調馨(ALSOK綜合警備保障)○[2−0(TF6-0=1:18,TF6-0=1:44)]土性沙羅(愛知・至学館高)
工藤佳代子(自衛隊)○[2−0(1-0,4-0)]●高橋海里奈(早大)
山本聖子(スポーツビズ)○[フォール、1P0:29(F3-0)]●石岩優菜(群馬・西邑楽高)
西牧未央(至学館大大学院)○[2−1(1-0,0-1,3-0)]●渡利璃穏(至学館大)
 
▼準決勝
伊調馨(ALSOK綜合警備保障)○[フォール、2P0:56(1-0,F4-0)]●工藤佳代子(自衛隊)
山本聖子(スポーツビズ)○[フォール、2P1:45(2-0,F4-0)]●西牧未央(至学館大大学院)

 ▼決勝
伊調馨(ALSOK綜合警備保障)○[フォール、2P1:31(1-0=2:30,F4-0)]●山本聖子(スポーツビズ)
 《試合経過》第1ピリオドは2分間で0−0。クリンチの攻撃権は山本だったが、伊調がうまい身のこなしで30秒粘り、このピリオドを取った。第2ピリオドはカウンターで1点を取った伊調が、またさきを決め、ニアフォールのあと、フォールを決めた。

 ※伊調は全日本女子選手権を合わせ2年ぶり8度目の優勝


 【72kg級】

 ▼1回戦
立光志織(王子自動車学校)○[フォール、2P0:38(2-0,F4-0)]●新井明恵(法大)

 ▼準決勝
浜口京子(ジャパンビバレッジ)○[2−0(1L-1,4-0)]●立光志織(王子自動車学校)
鈴木博恵(立命館大学)○[2−1(0-1,1-0,1-0)]●井上佳子(至学館大)

 ▼決勝
浜口京子(ジャパンビバレッジ)○[2−1(0-1,2-0,1L-1)]●鈴木博恵(立命館大学)
 《試合経過》第1ピリオドは2分間を0−0。クリンチ権を取った鈴木が場外へ出して1−0。第2ピリオドは浜口が中盤にテークダウンを奪って1点を先制し、1分41秒にも1点を加えた。

 第3ピリオド、鈴木のタックルでもつれ、浜口が場外に出てしまって鈴木が1−0。しかし浜口は44秒に右脚へのタックルで1点を返し、そのままのスコアでタイム。ラストポイントで勝った。

 ※浜口は全日本女子選手権を合わせ3年ぶり12度目の優勝


  ▲一覧ページへ戻る