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60s級の前田翔吾が銀メダル 96s級の磯川孝生は銅メダル…アジア選手権第1日【2010年5月13日】


 【ニューデリー(インド)、増渕由気子】アジア選手権は5月12日、インド・ニューデリーで開幕。男子フリースタイル3階級が行われ、60s級の前田翔吾(ニューギン)が銀メダル、 96s級の磯川孝生(徳山大職)が銅メダルを獲得。大会初日にして、昨年の「銀1、銅1」の記録に並んだ

 前田は2回戦でリー・セオンチュル(韓国)、準決勝でナディルベク・ウール(キルギス)を破って決勝に進出。決勝はイランのエスマエルポールに1−2(1-1L,1-0,0-1)で惜敗し、銀メダルを獲得した。

 磯川は2回戦で2008年北京五輪代表、同年ゴールデンGP王者のリエザ・ヤズダニ(イラン)に完敗したものの、敗者復活戦で台湾選手に、3位決定戦でキルギス選手にそれぞれストレートで勝って銅メダルを獲得した。

 74s級の長島和幸(クリナップ)は、初戦のタジキスタン選手にストレートで勝って2回戦に駒を進めたが、モンゴル選手との2回戦で試合を優位に進めながら逆転負けを喫した。

 各選手の成績は下記の通り。




 ◎男子フリースタイル

 
【60kg級】前田翔吾(ニューギン)     2位=13選手出場

1回戦  BYE

2回戦  ○[2−0(3-1,2B-2)]Lee Seung-Chul(韓国)

 
《試合経過》第1ピリオド両者ともに点が入らない。ラスト10秒を切り、ゾーン際で相手がそり投げをしたところを前田がつぶして3点をゲット。流れでバックポイントを奪われたが3−1で終了。第2ピリオドは、相手がタックル返しで2点を奪う。その後、韓国がバックポイントで1点を返す。さらにタックルでテークダウンを許す。このとき、韓国サイドが3ポイントタックルだと主張してチャレンジするが認められない。本来、前田に1点が入るはずが追加点が掲示されず、2B−2のビッグポイント差で勝利した。(公式結果も2B-2)

準決勝 ○[2−1(0-2,3L-3,4-2)]Ulan Nadyrbek Uulu(キルギス)

 《試合経過》第1ピリオドの1分20秒。低い両足タックルで1点を先制される。その後の前田のタックルもつぶされて0−2で終了。第2ピリオドも序盤は押されて0−3とされるが、後半1分すぎに前田もタックルとニアフォールで反撃。3−3のラストポイントで取った。

 第3ピリオド、エンジンのかかった前田はタックルで1点、ニアフォールで2点、場外際のローリングで1点と立て続けに4点をゲット。後半、タックルに入ってからの処理を相手がコントロールしたとみなされて不本意な2失点。日本陣営はチャレンジしたが、前田は拒否。4−2で逃げ切った。

決  勝 ●[2−1(1-1L,1-0,0-1)]Masoud Mahmoud Esmaeilpoorjouybari(イラン)

 《試合経過》第1ピリオドの1分29秒、前田は片足タックルから1ポイントをゲット。ラスト30秒、イランの猛攻撃をしのぐが、ラスト2秒で思わずしりもちをついて場外へ。ラストポイントでイランが取った。第2ピリオド、ラスト5秒で前田が片足タックルから強引にテークダウン。時間いっぱいで1−0で取り返した。

 第3ピリオドの30秒、場外ポイントを取られた前田。グラウンドでノーポイントの判定にも見えたため、井上監督は一度チャレンジを出すが、残り時間が十分にあったため、取り下げた。前田は攻撃に転じたいが、相手に組み付かれてしまいい、タックルを出せず0−1で試合終了。

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 【74kg級】長島和幸(クリナップ)     7位=14選手出場

1回戦 ○[2−0(2-0,6-1)]Azamat Sufiev(タジギスタン)

 
《試合経過》第1ピリオド、長島がタックル2本で2−0で先取。第2ピリオドもタックルからの攻撃がさえて立て続けにポイントを奪う。1点は失ったが、6−1の大量リードで勝利した。

2回戦 ●[1−2(0-3,2-1,3-4)]M. Mendsaihan(モンゴル)

 《試合経過》第1ピリオドは0−0でクリンチ勝負になり、モンゴルが優先権を生かして3−0。第2ピリオドは長島の片足タックルからの攻撃がさえて4−0と奪い返す。

 第3ピリオドはシーソーゲーム。立ち上がり、長島は場外ポイントで1失点。だが、タックル返しの2点で逆転した。しかし、モンゴルにがぶり返しを決められて2−3と再逆転される。長島もバックを奪って3-3として終盤を迎える。しかし、残り10秒に痛恨の場外ポイントを奪われて3−4と惜敗した。モンゴルが準決勝でイランに敗れたため、長島は敗者復活戦に回れなかった。

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 【96kg級】磯川孝生(徳山大職)     3位=14選手出場

1回戦  ○[2−1(1-0,0-1,1-0)]Nam Kwang Il(北朝鮮)

 《試合経過》第1ピリオドは静かな立ち上がり。開始23秒で磯川が左タックルからテークダウンで1点先制。第2ピリオドは、ラスト3秒に磯川がタックルに入ってテークダウンに持ち込むが、時間が先とみなされてノーポイント。クリンチは北朝鮮が攻撃権を獲得し、無難にテークダウンを決められて0−1。

 勝負の第3ピリオド、磯川が1分ごろに相手を押し出して1点。これが決勝点となった。

2回戦  ●[0−2(0-2,1-4)]Reza mohammad ali Yazdani(イラン)

 《試合経過》第1ピリオドは、磯川ががぶりとタックルからのバックポイントを奪われて2失点。第2ピリオドは磯川がタックルで1点を先取。しかし、その後は押し出されて1点。タックルからローリングに移行されるなどイランのペースとなり、1−5で敗れた。

敗復戦 ○[2−0(5-0,TF6-0)]Lo Tien-yu(台湾)

 《試合経過》第1ピリオドから磯川の一方的な展開。場外ポイントを皮切りに、タックルからのバック。カウントつきのローリングを決めて2+1点。最後もタックルで6−0で勝利。第2ピリオドは、タックルを3本決め、最後にも3ポイントタックルを決めて6−0でテクニカルフォール勝ち。

3決戦  ○[2−0(2-1,1-0)]Kushu Bekbolsun(キルギス)

 《試合経過》第1ピリオド、場外ポイントで1点を失った磯川だが、終盤にタックルから場外ポイント。その後も場外ポイントを追加して2−1とした。第2ピリオド、序盤はこう着状態が続いたが、1分36秒、相手が仕掛けてきたところを、場外際で体を入れ替えて場外に押し出した。


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