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【特集】62年ぶりの優勝に感慨無量のOBたち【2010年5月22日】

(文=増渕由気子、撮影=矢吹建夫)
 

 早大の62年ぶりの東日本学生リーグ戦優勝を、OBたちもあたたかく見守った。その中には、5度目のリーグ戦優勝の時に在学し、学生時代はバンタム級で活躍した白石剛達さん(81歳)の姿も。「私が19歳のときにリーグ戦で優勝しました。ですが、大学4年の時は中大などに負けてしまってね。やっと優勝したね」と笑顔を見せた。

 その隣には、レスリング協会役員の平野万司さんの姿も。「私は上武洋次郎さん(1964年東京・68年メキシコ両五輪金メダリスト)の一つ後輩でした。いいチームだったんですが、決勝戦で明大に負けたんだよなぁ」と学生時代を振り返る。白石さんは「このころから、ずっと早大は負けぐせがついていた」と話し、OBとして寂しい思いもしたそうだ。

 両者ともに6度目の優勝を見るために、毎年駒沢体育館に足を運んでいた。2005年にグループ優勝を果たしてから、常に優勝候補に挙げられていたが、あと一歩及ばす。だが、白石さんは「今年の早大は、試合前から何かが違った」と振り返る。「リーグ戦前に練習場を訪れたのですが、今までで一番声が出ていた。絶対に勝つんだという気持ちが伝わってきた」そうだ。

 半世紀以上をへだてた優勝に、応援に訪れたOB全員で、フロアの選手とともに「都の西北」を笑顔で斉唱。6度目の優勝を果たした早大は、レスリング創設チームとして真の輝きを取り戻した。


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