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【特集】初心者集団で2年連続優勝、来季は一部へ…防大【2010年5月22日】

(文=樋口郁夫、撮影=矢吹建夫)
 

 東日本学生リーグ戦の二部リーグは、昨年に続いて防大が優勝。出場停止処分中の日体大(一部A組最下位)と入れ替わり、来季は初めて一部リーグで試合をすることになった。今季のチームで高校時代にレスリングを経験していた選手は1人だけ。素人集団を鍛え、勝てるチームに育てることは並大抵のことではない。かつて自衛隊でならした奥屋敷賢彦監督は「よく頑張った」と選手をねぎらい、

 しかし、同監督は「優勝はうれしいけど、入れ替え戦に勝っての一部昇格を目指していましたから。素直に喜べないんですよね」と、ぜいたくな不満も。優勝したあと、日体大ではなく、一部B組最下位の東農大を入れ替え戦の相手に指名して、闘っての昇格も考えたという。

 「上がれない可能性もありますが、闘っての昇格を目指していましたから」。しかし、けが人が出たため東農大を破ることは難しいと判断。闘わずして一部へ上がる道を選んだ。「上がった以上、一部リーグで闘えるチームを目指します」と、来年へ向けて気合いを入れた。

 中村友祥主将は「一部へ上がるのは、創部初のことです。私たちの代で達成できてよかった」と満足そう。自らは卒業となるため一部で闘うことはないが、「(チームを)上げられたことが誇りです。来年、後輩たちが勝てるよう、しっかり指導していきたい」と言う。

 高校時代は陸上の選手。「同じ個人競技だけど、レスリングは自分の弱さが見えるスポーツですね。個人競技でありながら、チームワークが必要とされる。レスリングをやってよかった」と、充実したレスリング人生を振り返った。
 


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