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【特集】GOLD KID'Sから初の男子中学チャンピオン! 成國晶子代表「4度目の正直です」【2010年6月14日】

(文=増渕由気子、撮影=矢吹建夫)



 “キッズ・クラブのナンバーワンチーム”GOLD KID’Sから初の中学チャンピオンが誕生した。ここ数年、キッズのタイトルをほしいままにしている成國晶子代表が「女子のチャンピオンは育てたけど、男子はまだ…。そこだけがネックなの」と本音を話したほど、レベルの高い全国中学生選手権のタイトル奪取は大変な道のりだった。「GOLD KID'S所属の選手で過去に3回、決勝に進んだけど、全員負けちゃって」。高校1年でインターハイを制した山崎達哉(現東京・自由ヶ丘)もその一人だ。

 成國代表の夢を実現したのは、12歳の中学1年生の成國大志(東京・東深沢=
左写真)。成國代表の長男だった。初めての大会ということで、大志は当初、「決勝まで行くことを目標」としていた。だが、2回戦で5月に黒星を喫している藤田雄大(三重・光陵)を撃破すると、3回戦と準々決勝はテクニカルフォールとフォールで勝ち進む。

 準決勝の清水洸希(石川・野々市)戦は、先にタックルに入られたが、「切れると分かっていた」とすぐにタックル返しに移行して第1ピリオドを2L−2で奪い、そのままストレート勝ち。実力のある2年生に勝った瞬間、「よしっ」とガッツポーズも飛び出した。

 決勝戦では圧倒的な差を見せつけ、第2ピリオドはテクニカルフォール。だが、大志は「1点取られちゃったから」と試合直後は笑顔を見せなかった。1年生王者になった者だけに許される3連覇についてた志は「狙いたい」とキッパリ。成長期を迎える時期なので、来年は階級を上げることも考えなければならないが、大志は「38s級でもう一度チャンピオンになる」と、同級での連覇を目標とした。将来の目標は、「大技が好きだから」とグレコローマンでオリンピックを目指すことをほのめかした。

 成國代表は長男の優勝に「悲願だった」と言葉を選んだが、「そのあとに控えていた教え子のことで頭がいっぱいだった」と、息子の勝利に酔いしれることなく、女子37s級の加賀田葵夏(東京・高南)、41s級の坂上楓舞希(千葉・八木が谷)を優勝させ、3つの金メダルを獲得。キッズ・ナンバーワンチームの貫録を中学レスリング界でも十二分に見せつけた。加賀田については「大志と保育園からの幼なじみだから」と目を細めた
(右写真=Gold Kid'sの選手たち)

 すでに男女ともに、キッズ、中学、高校のチャンピオンを育てている成國代表。今大会の悲願達成で、次の目標に「オリンピックの選手を育てたい」と更なる目標を掲げていた。



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