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【特集】米国からカズ・アキラ・オノオ選手が参加! 全国中学生選手権が“国際大会”へ【2010年6月19日】

(文=増渕由気子、撮影=矢吹建夫)
 


 ここ数年、一段と競技レベルが上がってきている沼尻直杯全国中学生選手権。“全中”の略称で親しまれ、今では、「全中チャンピオン」の肩書きは高校のみならず大学に進んでからも立派な肩書き。第36回を迎えた今大会は、今まで以上の熱戦に加えて、いろいろな新しい試みがなされた。

 大会会場には、全日本選抜選手権などでも使われている大会旗を掲げ、決勝戦は1面で大々的に行われた。選手を紹介するアナウンサー、入場やインターバルに音楽を流すなど、大会を盛り上げるための工夫がされた。

 また海外選手がエントリーしたことも話題になった。男子42s級には、カズ・アキラ・オノオ選手(米国)がエントリー。アイオワ州のフォックススタイル80ポンド(36.3kg)級の中学チャンピオンの実力者。地元ではレスリングが盛んで、友達の多くがレスリングに取り組んでいるという。米国は現在夏休み。その長期休暇を使って、日本の大会に参戦してきた。

 オノオ選手は、日本人の小野尾和男さんと米国人の母親の間に生まれた。和男さんは、アメリカの国籍を取得し、アメリカを拠点に生活をしている。だが、仕事で新日本プロレスに参戦する外国選手の通訳を担当する縁もあって、来日することは多いという。

 和男さんが「学校の友達など周囲のほとんどは白人で、自分は周りと違う意識があるようなんです」と話すように、オノオ選手は小さい頃から自分のルーツである日本に強い憧れを抱いてきた。「日本に来れば、(見た目が)自分と同じような子供たちがたくさんいる」と楽しみにしていたという。

■2回戦敗退にも、日本選手との交流に満足

 結果だけ見ると、2回戦敗退と上位進出はならなかった。しかし6月上旬に来日してからは、茨城の中学生たちと生活や練習をともにし、「ともてよくしてもらった」と、親子そろって今回の遠征には大満足だ。オノオ選手の将来の目標は日本に留学することで、オリンピックも視野にいれて頑張るそうだ。

 日本語はほとんど話せない。それでも、和男さんは「言葉が話せなくても、レスリングで(外国選手と)通じることができる」と、スポーツの素晴らしさを挙げた。自身も中学の頃から英語を熱心に勉強して、現在は米国暮らし。それを考えると、オノオ選手があと2、3年後に流ちょうな日本語を話せるようになる可能性は十分にある。

 全国中学生連盟の沼尻久会長は、オノオ選手のエントリーを大歓迎した。規約では外国人選手に関する制約はないため、今後も参加を認める方針も示した。オノオ選手は現在13歳で中学2年生。来年も年齢的には出場できる。「来年はアメリカの友達を誘って、また出場したい」と出る気は満々。

 沼尻会長も「50人、100人単位で海外からの申し込みがあったら、別の大会を作らなくてはいけないと思いますが、(少人数なら)当面は参加OK」と話した。「日本の中学生にもいい(海外)経験になるから」とメリットを挙げた。

 全国中学選手権の国際化が、さらに全中のレベルを押し上げることになるだろうか。


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