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【特集】地元開催を飾れず、2選手が銀メダル…大阪・堺女子【2010年8月18日】

(文=樋口郁夫)



 大阪・堺市で行われることが多い全国高校女子選手権。昨年の千葉・佐倉市開催から2年ぶりに同所へ戻ってきた。地元開催で燃えていたのが堺女子。7月31日のアジア・カデット選手権(タイ)では52kg級に出場した増田奈千が優勝し、ムードはよかった。

 しかし、増田が同選手権で負った負傷が完治せずに棄権。43kg級の辻彩香
(右写真の右)と70kg級の高村愛(同左)がともに2位に終わり、優勝には手が届かなかった。

 70kg級の高村は、体勢は多少崩れたが、バック投げという女子ではほとんどみることができない技を披露して橋本千紘(東京・安部学院)を追い詰めた
(左写真)。「堺での大会なので勝ちたかったけど、後悔はしていません。自分の力は出し切ったと思う…。でも、最後にあきらめてしまって…。そのあたりが最後に点を取れなかった原因」と、複雑な気持ちの入り混じった言葉で決勝を振り返った。

 中学時代はソフトボールの選手で、高校入学後にレスリングへ。「ここまで上がれるとは思っていませんでした。最後の大会で2位になれてよかった」と言う。どこかの大学から熱心な誘いがあれば、卒業後もレスリングを続けることもあるそうだが、そうでなければ今年がレスリング人生の最後の予定。10月の全日本女子オープン選手権、12月の全日本選手権の大会が残っており、「ここまで培ってきたものをすべて出して闘います」という。

 43kg級の辻彩香
(右写真)は、ピリオドスコア1−1のあと、第3ピリオド、終了間際の攻防でいったんは自分の負けとされた。しかしチャレンジ権を行使し、審判団がかなり長い時間協議する微妙な判定。結局、0−2が2−2となったが、ラストポイントによって負けとなり、勝敗は覆らなかった。

 「絶対に自分の勝ちになると思った」と待つ心境を説明。判定が覆らなかった後は涙が出たという。高村と同じで「地元で勝ちたかった」という。「次の試合からは、もっと自分から攻めていくレスリングをやりたい」と気を取り直していた。



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