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浜口京子(ジャパンビバレッジ)と稲葉泰弘(警視庁)が銅メダル…世界選手権第5日【2010年9月11日】



 【モスクワ(ロシア)】世界選手権第5日は9月10日、ロシア・モスクワで女子2階級と男子フリースタイル1階級が行われ、女子72kg級の浜口京子(ジャパンビバレッジ)と男子フリースタイル55kg級の稲葉泰弘(警視庁=右写真)が銅メダルを獲得した。

 女子72kg級の浜口は、初戦(2回戦)で67kg級世界チャンピオンの経験があり、67kg級の欧州を3度制しているカテリナ・ブルミストロバ(ウクライナ)を2−1で、3回戦で昨年世界2位のブルマー・オチルバト(モンゴル)を2−0でそれぞれ撃破した。しかし、準決勝で今年3月のワールドカップで負けているオヘネワ・アクフォ(カナダ)に2度クリンチにもつれる激闘の末に敗れ、3位決定戦へ回った。

 2008年北京五輪5位のマイデル・ウンダ(スペイン)との銅メダルをかけた闘いは、第1ピリオドを取った浜口が、第2ピリオドのクリンチからの攻撃を制した
(左写真)。浜口はこの銅メダル獲得で、五輪と世界選手権を合わせた獲得メダルが12個(金5・銀2・銅5)となり、自らの持つ女子最多記録を更新した。

 男子フリースタイル55kg級の稲葉は、1回戦から3回戦まで国際的には無名の選手に快勝。4回戦で今年のパンアメリカン選手権2位のオベンソン・ブランク(米国)に第1ピリオドを取られ、第2ピリオドも後半まで0−2の劣勢ながら、最後に逆転フォール勝ちした。準決勝は、今年世界ジュニア選手権2位のトグルル・アスガロフ(アゼルバイジャン)に前半追い込まれたものの、後半盛り返して第3ピリオドの勝負へ。ラスト10秒まで1−0とリードしていたものの、残りを守り切れず、決勝進出を逃した。

 しかし3位決定戦では、2007年世界2位のナランバータル・バヤラー(モンゴル)に第1ピリオドこそ1−0だったが、第2ピリオドはタックルがさえ、6−0のテクニカルフォールで快勝した。世界選手権の男子フリースタイルの最軽量級でメダルを獲得したのは、1990年48kg級の小林孝至以来15大会ぶりのこと。

 女子67kg級の新海真美(アイシン・エィ・ダブリュ)は3位決定戦で敗れて5位。初戦の2回戦を勝ったあと、3回戦で3年連続優勝を目指すマルティン・ダグレニエ(カナダ)に0−2で黒星。ダグレニエが決勝へ進んだことで敗者復活戦へ回り、ノルウェー選手の棄権で3位決定戦進出が決まった。しかし、昨年3位のイフェオマ・イヘアナチョ(ナイジェリア)のタックル返しを受けてしまってフォール負け。メダルに手が届かなかった。

 女子はこの日で終了。日本は「金3・銀1・銅2」を取り、国別対抗得点では61点をマーク。2位のロシア(39点)を大きく引き離して2年ぶりに世界一を奪還した。また、55kg級で優勝した吉田沙保里(ALSOK)が、世界選手権8連覇の功績を讃えられ表彰された
(右写真=団体優勝カップを持つ丸山秀二団長と世界V8表彰の吉田沙保里)

 各選手の成績は下記の通り。




 ◎女子

 【67kg級】新海真美(アイシン・エィ・ダブリュ)       5位=17選手出場

■1回戦  BYE

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■2回戦 ○[2−0(9-3,5-1)]Yanira Morales Garcia(プエルトリコ)
 《試合経過》第1ピリオド30秒、相手の背後に回り込んだ新海だが、タイミングよく腰投げを受けてしまい3失点。1分23秒に落としてバックを取って1点を返し、横崩しとまたさきで攻める。フォールはならなかったが9−3。第2ピリオド、スタンドの攻防で新海は外へ出てしまって1失点。しかし中盤、正面から3点タックルを決めて押さえ込む。フォールはならなかったが、終了間際にバックを取って1点を加えた。

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■3回戦 ●[0−2(0-1,0-3)]Martine Dugrenier(カナダ)
 
《試合経過》第1ピリオド、0−0で試合が進んだが、終了直前に相手が片足タックルで仕掛け、新海はラスト4秒で痛恨の1失点。第2ピリオド、やはり0−0で試合が進んだが、1分30秒すぎに新海は左脚を取られてテークダウンされ2失点。アンクルホールドで回され0−3とされた。

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■敗者復活戦 ○[不戦勝]Maja Gunvor Erlandsen(ノルウェー)

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■3位決定戦 ●[フォール、1P1:02(F0-5)]Ifeoma Iheanacho(ナイジェリア)
 《試合経過》第1ピリオド開始早々、新海は片足タックルで1点を失う。正面タックルで反撃したところを、見事なタックル返しを受けて背中からマットに落ち、がっちり押さえられてフォール負け。




 【72kg級】浜口京子(ジャパンビバレッジ)       3位=20選手出場

■1回戦  BYE

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■2回戦 ○[2−1(1-1L,1-0=2:02,1-0)]Kateryna Burmistrova(ウクライナ)
 《試合経過》第1ピリオド、浜口は43秒に片足タックルをつぶして1点を先制。しかし1分42秒、がぶりられてバックに回られ1−1。ラストポイントでこのピリオドを落とした。第2ピリオド、浜口が1分10秒にテークダウンを取ったかに見えたが、ぎりぎりでこらえられ、0−0で終了。相手の引いたボールは、浜口の攻撃権。クリンチからテークダウンを決めた。

 第3ピリオド、0−0で試合が進み、終了間際に相手のタックルを浜口がかわしてバックへ。1分55秒に貴重な1点を取った。

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■3回戦 ○[2−0(4-3,1-0)]Burmaa Ochirbat(モンゴル)
 《試合経過》第1ピリオド、浜口はがぶってエビ固めへ。2点を取り、さらに腕取りで肩を返して2点。終了間際に一本背負いを受けて3点を失ったが、そこで終了のホイッスル。第2ピリオド、0−0のあと、1分29秒に浜口ががぶってバックを取り、貴重な1点を挙げた。

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■準決勝 ●[1−2(3-0,0-3,0-1=2:02)]Ohenewa Akuffo(カナダ)
 
《試合経過》第1ピリオドは2分間を0−0。自分で自分の攻撃権を引いた浜口は、タックル返しを受けたかのように転がり、最初は相手の3点。日本陣営がチャレンジし、浜口のテークダウンが認められた。第2ピリオド、浜口は1分30秒に正面タックルを決められ0−3とされた。

 第3ピリオド、再び2分間を0−0。相手は自分の攻撃権を引き、クリンチからテークダウンを奪った。

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■3位決定戦 ○[2−0(1L-1,1-0=2:03)]Maider Unda Gonzalez(スペイン)
 
《試合経過》第1ピリオド、タックルを受けた浜口は、場外へ出てしまって1失点。しかし1分10秒、右脚へタックルを決め、1−1のラストポイントでこのピリオドを先制。第2ピリオド、2分間を0−0で終了。相手の




 ◎男子フリースタイル

 【55kg級】
稲葉泰弘(警視庁)         3位=34選手出場

■1回戦 ○[2−0(1-0,TF8-1=1:21)]Ibrahim Abdelhakim Mohamed Farag(エジプト)
 
《試合経過》第1ピリオド、中盤に稲葉が差して攻めアンクルピックで1点を獲得。右脚へのタックルは時間切れとなったが、1−0でこのピリオドを先制。第2ピリオド、11秒に左脚にタックルを受けて1点を失った稲葉は、32秒に回り込んで1点を返す。続けてアンクルホールド2回転。1分すぎ、正面タックルで3点を取り、横へ崩して2点を加え、8−1としてテクニカルフォール。

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■2回戦 ○[2−0(TF7-0=1:39、TF7-0=0:47,]Asian Zhanakhanov(カザフスタン)
 
《試合経過》第1ピリオド、1点を先制した稲葉は、中盤にも相手の投げのミスに乗じて1点を獲得。さらに1点を取ると、アンクルホールドなどで7−0とした。第2ピリオドも16秒で1点を取った稲葉は、反対回転のアンクルホールド2回転で5−0とし、さらにニアフォールを奪って7−0へ。

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■3回戦 ○[2−0(1-0,2-1)]John Manuel Pineda(カナダ)
 
《試合経過》第1ピリオド、中盤に稲葉がテークダンを奪って1−0。第2ピリオドも稲葉が1点を先制したが、1分15秒、横につかれてテークダンを奪われ1−1。しかし1分42秒、正面タックルで2−1として逆転。

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■4回戦 ○[フォール、2P1:50(0-2、F4-2)]Obenson Blanc(米国)
 
《試合経過》第1ピリオドは稲葉が20秒と57秒に左脚を取られる片足タックルを受けて0−2。第2ピリオドも24秒に正面タックルを受け、41秒にも1点を取られて0−2。しかし後半、タックルで攻めて一気にニアフォールへ。最後は腕を取ってがっちり押さえ込み、フォール勝ち。

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■準決勝 ●[1−2(TF0-6=1:32,1L-1,1-2)]Toghul Asgarov(アゼルバイジャン)
 《試合経過》第1ピリオド、13秒でテークダウンを奪われた稲葉は。31秒にも背後に回りこまれバック投げ。1分、1分32秒にもテークダウンを奪われ、0−6とされた。第2ピリオドは43秒に稲葉がバックを回り込まれて1失点。しかし1分43秒、右脚へタックルを決めて1−1とし、ラストポイントで勝った。

 第3ピリオドは、33秒に稲葉が相手の攻撃をうまくかわしてバックを取って1点。そのまま試合は進んだが、ラスト10秒、稲葉が押され、場外際で投げをうったが痛恨のテークダン。日本陣営は投げ技が有効としてチャレンジしたが、判定は覆らず相手に1点。1−2で惜敗した。

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■3位決定戦 ○[2−0(1-0,TF6-0=1:28)]Naranbaatar Bayaraa(モンゴル)
 
《試合経過》第1ピリオド、0−0で試合が進んだあと、1分44秒に稲葉が正面タックルでしつこく攻めて1点。1−0でこのピリオドを先制。第2ピリオドは、稲葉が18秒、38秒、58秒、1分17秒に正面タックルなどで1点を挙げ、最後のテークダウンのあとガッツレンチで2点を加えてテクニカルフォール勝ち。



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