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【特集】早大3連覇ならず…団体戦4冠の夢散る【2010年9月19日】

(文=増渕由気子)



 5月の東日本学生リーグ戦の覇者で、全日本学生王座決定戦3連覇を狙った早大は、決勝で拓大に3−4で惜敗。今季2冠目の戴冠はならなかった(右写真=試合後、応援席にあいさつする早大)

 コツコツと努力して力をつけてきた4年と、超高校級として鳴り物入りで入学してきた下級生のチームワークが抜群で、戦力はどこよりも抱負。リーグ戦後、太田拓弥コーチは「四冠を狙う」とグランドスラムを目標に掲げていた。8月の全日本学生選手権では、フリースタイル5階級で決勝に進出し、2階級を制覇。この勢いを保って今大会の優勝も大いに期待された。

 目下二連覇中の早大は決勝までは快勝続き。一方の拓大は準々決勝で専大に4−3と苦戦しながら勝ち進んだのもあり、早大有利は揺るがなかった。ふたを開けてみると、55s級の西洸大に続いて、チームの精神的柱でもある松本桂キャプテンが敗退。出だしの2枚が黒星スタートとなってしまった。

 66s級の田中幸太郎(全日本学生選手権王者)、74s級の石田智嗣(同60s級王者)で巻き返すも、84s級の武富隆、120s級の大阪昴がともにフォール負け。太田コーチは「責任は自分にある」とうなだれ、「4年生を勝たせられなかったのが敗因です。リーグ戦では主将の松本がリーグ戦全勝で、決勝戦で4勝目を挙げたのは、4年の武富だった。今回はその逆になってしまった」と振り返った
(左写真=高谷から先制した武富だったが…)

 3年前に同大会を初優勝した早大だが、「リーグ戦で優勝しなければ、本当の復活にはならない」と挑戦者の気持ちが切れることはなかった。その悲願を春に達成し、太田コーチは「どこか気がゆるんでいた部分があった」と反省した。

 四冠の夢は破れたが、ここで立ち止まってしまっては意味がない。この悔しさをばねに、「大学グレコ選手権、大学選手権で優勝します」と目標を三冠に切り替えて、出直しを誓った。



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