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【特集】岡本佑士(拓大)がV3で学生グレコで有終の美!全日本王者は射程距離【2010年10月15日】

(文=池田安佑美)



 全日本大学グレコローマン選手権第1日は、66kg級の岡本佑士(拓大)のワンマンショーだった。岡本は8月の全日本学生選手権(大阪)で優勝し、学生に敵なしの状況。社会人選手が加わった9月の千葉国体でも勝ち、最高に波に乗っている状態だ。今大会も決勝までの5試合ともスタンド、グラウンドの両方で完璧な出来で、総得点は48-0と驚異的な強さで優勝した。

 学生二冠王がかかった今大会の牧瀬裕樹(東洋大)との決勝でも、5点技を2度決めてストレート勝ち
(右写真=第1ピリオドに決めた5点技)。「リフトで豪快に投げるのが僕のスタイルだから」と最後まで魅せた。

 グレコローマンの力と力のぶつかり合いに魅せられ、「大学ではグレコローマンの選手になる」と決めて拓大に進学。大学2年からこの大会を3連覇した。グレコローマンに練習の重きを置いているが、静岡・飛龍高時代には高校三冠王を達成しており、フリースタイルでの実績もある。

 そのため、岡本は拓大の団体優勝のため来月の全日本大学選手権も出場する。「後輩に、拓大の伝統を見せたい」と、勝つだけでなく試合内容もこだわりを持っている。

■拓大選手として全日本王者になった米満達弘に続けるか

 大会1日目は4年間の盟友、60kg級の内村勇太とそろっての優勝となった。「一緒に優勝できてうれしい」と笑顔。ともに高校三冠王に輝き、拓大に鳴り物入りで入学した2人が、そろって学生二冠王に輝いた
(左写真:岡本=右=と内村)

 岡本は5月の全日本選抜選手権で2位、千葉国体では60kg級北京五輪代表(2007年世界2位)の笹本睦(ALSOK)に勝つなどして優勝。全日本レベルでも実績を積んでいる。12月の全日本選手権では、2008年にフリースタイル66kg級の米満達弘(現自衛隊=2009年世界3位の)が達成した現役拓大生での全日本王者の座も狙える。

 その壁となるのが、今年の66kg級世界代表の藤村義(自衛隊)と昨年の全日本王者の清水博之(自衛隊)。この2人を越えられれば、優勝は間違いないだろう。

 藤村、清水との差について岡本は、スタンドの攻撃力とグラウンドのディフェンス力を挙げた。「(2人とも)グラウンドでは、組めてもずらすのがうまい。自分のリフトの形に持っていけないんです」。課題はあるが、今まさに"成長期"を迎えた岡本が、2012年ロンドン五輪候補へ名乗りを上げた。



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