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グラップリング&パンクラチオンの世界大会出場選手が合同練習【2010年3月1日】


 3月26〜28日にポーランドで行われるグラップリングとパンクラチオンの世界選手権(8月に北京で行われるスポーツ・アコード・コンバット・ゲームズ)へ出場を予定している選手が2月28日、東京・味の素トレーニングセンターで合同練習とルールの確認を行った(右写真)

 参加希望選手が多ければ選手選考会となる可能性もあったが、現在までに出場を希望しているのはグラップリング2選手、パンクラチオン1選手。そのため、ルールの確認をしたあと、スパーリングなどで汗を流し、大会での健闘を誓った。グラップリングの世界選手権で2年連続で銅メダルを獲得している久能孝徳(チーム太田章)は「2大会とも同じ選手に負け、悔しさがある。目標があるので、頑張りたい」と、今年こそ世界一奪取を目指す。

 日本格闘競技連盟の鎌賀秀夫事務局長は、選手の少なさにやや残念そう。まず競技の知名度を上げ、競技人口を増やすことから手がけなければならないことを実感した様子。女子レスリングがスタートした直後は、男子の大会の合間に女子のエキシビションを行うなどして存在をアピールした歴史があるが、鎌賀事務局長は「男子の大会の合間にグラップリングやパンクラチオンのエキシビションをやり、レスリングをやっている選手からこの競技に取り組んでくれる人を探したい」と話した
(左写真=スパーリングで汗を流す世界選手権参加予定選手、手前上が久能)

 2007年に国際レスリング連盟(FILA)が主催したグラップリングのルールミーティングに出席した塚本裕昭・日本格闘競技連盟強化副委員長は「世界ではレスリングのスタイルとして確立しつつある。レスリング協会がオリンピックでの金メダル獲得に力を注ぐのは当然だが、大会が行われている限り、こちらの方にも力を入れ、勝つことで日本の存在をアピールしてほしい」と話した。

 久能選手は「レスリングが常に動く中での闘いであるのに対し、グラップリングは“静”の中での動の勝負。自分の距離をとったり、関節技のせめぎあいなど、ぎりぎりのところで闘う緊張感がある」と、その魅力をアピール。自らが先導してグラップリングを広めていきたいという。

 グラップリングは“関節技のあるレスリング”で、2006年にFILAがレスリングのスタイルとして認定。2008年にスイスで第1回世界選手権が行われた。

 パンクラチオンは、古代オリンピアでレスリング、ボクシングとともに実施されていた競技で、その2つの格闘技を足した、いわば総合格闘技。花形競技だった。2004年アテネ五輪の開催が決定したあと、オリンピックでの復活を願ってギリシャで国際パンクラチオン連盟が発足した。アテネ五輪での採用はならなかったが、復活を願って活動を継続。FILAがレスリングのスタイルとして認定し、連盟の重鎮がFILAパンクラチオン委員会に加わっている
(右写真=パンクラチオンの練習)

 現在は独特の着衣を着ての闘いだが、全日本パンクラチオン連盟の北出雅人会長は「古代オリンピアでの実施競技らしく、裸でやるルールを国際連盟に提案したい」と言う。4月29日には第1回全日本選手権が開催される予定。


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