【特集】現地チームと緊張ある練習試合…日本学生選抜ブルガリア遠征中間報告【2010年2月26日】

(フリースタイル・コーチ、吉本収=神奈川大職)



 今年度の全日本学生選手権と全日本大学選手権の成績により選抜された学生チームは、2月17〜20日まで東京・味の素トレーニングセンターでの全日本チームの合宿に参加。その後、ブルガリアで開催される「ダン・コロフ国際大会」(フリースタイル)、「ニコラ・ペトロフ国際大会」(グレコローマン)に参加するため、成田空港から出発した。

 21日朝、味の素トレセンを出発し、乗り継ぎの待ち時間を入れてのべ約23時間でブルガリア入り。ソフィアの気候は日本より少し寒いくらいだが、室内の暖房はしっかりしているので、外に出ない限り寒さは感じない。食事も問題ない。

 現地では、セルビア在住でブルガリア語も堪能な日本サンボ連盟の筒井穣さんから選手団の通訳・案内をしていただき、空港到着後からスムーズにホテルに入ることができた。筒井さんは昨年までの全日本チームの遠征の際にも案内していただいており、日本選手団にとっては頼りになる存在である。

 翌日の朝食後は筒井さんに現地を案内していただき会場や両替やスーパーで水などを調達した。昼食後、ブルガリア・レスリング協会のバレンチン・ヨルダノフ会長(五輪1度を含め世界を8度制覇)のご厚意でブルガリア・レスリング協会(日本の岸記念体育館のような建物にある)へ招待され、滝山将剛団長(全日本学生連盟会長)以下、スタッフ3人と帯同審判の本田原明(自衛隊)さんとで伺い、歓談した。

 ヨルダノフ会長は「日本からの参加を感謝している。毎年来てほしい。何か不便があれば言ってくれ。明日と25日は親善も兼ねた練習試合をしたい」とのこと。こちらとしても、大会前の緊張感と実戦経験をするためにも絶好の機会と考え、お願いすることとした(右写真=23日の親善試合)

 その後、午後5時から現地入り後初めての練習。長旅の疲れもあるため、時間を決めて個人練習としたが、選手の中には外人選手と組んで練習する者もいた。23日は練習試合を行った。練習の中での簡単な試合と思っていたが、両国の国旗を掲げ、国歌を流すなど緊張感のある演出であった。

 日本は、66kg級の岡本佑士(拓大)が、けがのため大事をとって参加を見合わせたが、他の階級は全員が試合を行った。結果は、グレコローマンは全階級0−2での負け。フリースタイルは、66kg級の石田智嗣(早大)と120kg級の荒木田進謙(専大)が勝ち、その他の階級では接戦もあったが負けとなった。

 ブルガリア・チームはほぼナショナルチームを出してきており、結果は仕方ないものであったが、選手にとっては大会前に実戦練習ができたことと世界トップレベルの選手との対戦は大変良い経験となった。

 25日朝には、ソフィアから大会会場であるブルガスへバスで約5時間かけて移動し、再度練習試合を行う予定。大会は27・28日に行われる。

 23日の練習試合の結果は下記の通り。


≪グレコローマン≫

 【55kg級】大谷康太(専  大)●[0−2(0-3,0-1)]○アレクサンダー・コスタディノフ(世界ジュニア1位)
 【60kg級】牧瀬裕樹(東洋大)●[0−2(1-5,0-6)]○イヴォ・アンゲロフ(欧州3位)
 【74kg級】中井伸一(中  大)●[0−2(0-4,0-4)]○イリアン・ゲオルギエフ
 【84kg級】岡  太一(拓  大)●[0−2(0-1,0-1)]○フリスト・マリノフ
 【96kg級】藤本健二(拓  大)●[0−2(0-6,0-1)]○カロヤン・ディンチェフ(世界3位)
 【120kg級】河野隆太(青山学院大)●[0−2(0-6,0-6)]○イワン・イワノフ(北京五輪代表)

≪フリースタイル≫

 【55kg級】須藤  学(日  大)●[0−2(0-6,0-1)]○ラドスラフ・ベリコフ(世界1位・北京五輪3位)
 【60kg級】内村勇太(拓  大)●[0−2(1-1L,1-3)]○アナトリー・グイデア(世界2位)
 【66kg級】石田智嗣(早  大)○[2−0(1-0,1-0)]●イワン・ドブレフ
 【74kg級】高谷惣亮(拓  大)●[フォール、2P(3-2、F2-4)]○キリル・テルジエフ(北京五輪3位)
 【84kg級】山口  剛(早  大)●[0−2(1-2,1-3)]○リューベン・イリエフ(欧州ジュニア3位)
 【96kg級】金澤勝利(山梨学院大)●[0−2(0-1,0-1)]○ドラゴミール・ストイチェフ
 【96kg級】入江泰久(神奈川大)●[0−2(0-6,0-6)]○ミハイル・ガネフ(世界ジュニア1位)
 【120kg級】荒木田進謙(専大)○[フォール、2P(0-2.F3-0)]●ダニエル・ヤンコフ
練習試合のシーン。右写真は滝山団長とバレンチン・ヨルダノフ・ブルガリア協会会長

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