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【特集】日体大が一部復帰! 来年は初戦で早大と激突か
【2011年5月21日】

(文=樋口郁夫、撮影=矢吹建夫)




 二部リーグでの再スタートとなった日体大が、予選、決勝、入れ替え戦のいずれをも7−0で勝ち、来年の一部リーグ昇格を決めた。松本慎吾監督は当初、「特にコメントはありません」−。こんなことはニュースで何でもない、と言わんばかりの表情に、復活への強い気持ちが表れていた。

 選手起用は、JOC杯ジュニアオリンピックや明治杯全日本選抜選手権に出場した選手は連戦になるので使わず、試合のなかった4年生を主体にしたメンバーで臨んだという。「王座(全日本学生王座決定戦)がなくなって、全員が一緒に闘う大会は今大会しかありませんから」と、苦労した最上級生にチャンスを与えた。

 二部リーグ間では、実力は頭ひとつ以上抜け出ている選手ばかりで、負けた試合こそなかったものの、ポイントを取られたり、ピリオドを失った選手もいて、100パーセント満足する内容ではなかった。試合後は厳しく指導し、「この反省を生かして、明日からまた練習に取り組ませたい」と言う。
(右写真=74kg級で闘う白木一平))

■来年優勝することで、去年と今年の4年生に報いたい

 リーグ戦での日体大といえば、控え選手が応援席を埋めて大声援をおくり、大学からチアガールが来る時もあって盛大な応援が繰り広げられるのがこれまでだった。優勝した時には顔にペインティグした選手によるパフォーマンスも演じられた。今回は、それらはなく、静かな応援席だった。控え選手は授業に出ていて、夕方からは大学での練習で汗を流したという。約80人の部員をあげての応援、チーム一丸となっての闘いは、来年ということなのだろう。

 もっとも、出場停止期間中も親身になって選手を支えてきた父母の何人かは会場に姿を見せた。会場には、昨年10月に結成された「桜輝会」の横断幕も。松本監督は「二部の試合にもかかわらず、わざわざ足を運んでいただいたことは本当にうれしいです。どんな小さな大会にも応援に来ていただき、深く感謝したい」と話し、一部昇格を決めると、すぐにあいさつへと向かった。

 「来年は、一部に復帰して、即優勝?」との問いに、「もちろんです。優勝しかありません。優勝することで、去年の4年生と今の4年生がつなげてくれたことに報いたい」と話した。

 リーグ戦の慣例からすれば、1回戦は前年の1位チームと最下位チーム(または二部からの昇格チーム)の試合が組まれる。来年、日体大は今年優勝の早大と同じブロックになることが予想される。そうなると、初戦で早大−日体大が組まれることになる。

 ちょっと早すぎるが、来年のリーグ戦は初日から熱き闘いが繰り広げられそうだ。



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