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【特集】各団体が東日本大震災の復興支援
【2011年6月3日】

(文・撮影=増渕由気子)




 未曾有の被害をもたらした東日本大震災の対応として、当協会は復興支援大会の開催、チャリティーグッズの販売、さらに専用口座を設けて義援金の呼びかけを行った。協会以外にも、クラブ、学校、部活単位で独自の支援を行っている団体は数知れない。今回はその中から3団体を紹介する。

■ゴールデンウィーク返上で山田町に支援したゴールドキッズ

 キッズクラブの強豪・ゴールドキッズ(東京)は、成國晶子代表を中心にクラブの父兄や知人の大学生を集めて、5月のゴールデンウィークに岩手県山田町で復興支援を行った。岩手県協会の上野三郎会長と連絡を取り合い、被災を免れた山田レスリングクラブの道場で寝泊り。

 成國代表によると、「わずか数日前から水道が復旧した」という状況の中、がれきの処理や、山田のキッズたちに文房具などの物資を届けた。文房具などの物資の提供に賛同し、大阪の吹田市民教室(宮本輝夫代表)やエンジョイ(東嗣朗代表)、神奈川・ファイヤーボーイズ(山内任代表)など各クラブで集めてくれたものを届けた。
(右写真=津波と火災で跡形もなくなった山田町の上野監督の自宅、成國代表撮影)

 成國代表にはさらなるプランがある。「7月末の全国少年少女大会(新潟市)に山田のキッズたちが出場できるように、なんとか力になりたい。それも今年だけじゃなく、長期的なスパンで支援できるように、今動いています」。

 被災地では、いまだに活動を再開できていないクラブチームが多数ある。成國代表は、自身の呼びかけをきっかけに、定期的なキッズ支援システムを作り上げることに奔走中だ。

■日体大と群馬大の合同チームも岩手・山田町へ

 毎年夏に草津で合同合宿を行っている日体大と群馬大は、復興支援でもタッグを組み、約30人もの大所帯で岩手県山田町で支援活動。5月27日の夜に出発し、28・29日の丸二日間にわたって支援に奮闘した。

 日体大は松本慎吾監督
(左写真)をはじめ、2010年アジア選手権グレコローマン84kg級銀メダルの齊川哲克(両毛ヤクルト販売)、同フリースタイル60kg級の前田翔吾(ニューギン)、2年連続世界選手権グレコローマン74kg級代表の金久保武大(ALSOK)などのOBたちも参加。ボランティアセンターから割り当てられた場所での瓦礫の撤去作業を行った。

■レスリング指導と復興支援と2つの支援を行った早大

 早大は、一般部員に加えて太田拓弥コーチが手がけるワセダクラブなどのキッズクラブ関係者、部員の友人など14人の支援チームを結成。インターハイ予選を控える宮古商高(岩手)のレスリング指導と、瓦礫処理などの復興活動組の2チームに分かれて支援した。日程は車内泊で、5月27日の夜に出発し、28日をフルに使っての支援活動。同日夜に現地を発ち、29日朝帰京した。0泊3日の強行スケジュールだったが、体調を崩すことなく全員が元気に活動を終えた。

 レスリング指導組は、午前中の指導を終えると午後からは復興支援組に合流。曇り時々小雨という状況の中、一日復興支援組は全員が汗と泥まみれで地元の復興に貢献した。指導と復興支援の両方に携わった石田智嗣副主将は「レスリング指導を3時間ほどしましたから、瓦礫の処理は事実上1時間ほどしかできなかった。ちょっと物足りなく、達成感が少なかった。次の機会には復興支援にしっかりと携わりたい」と話した。

復興支援活動の様子
コンクリートの塊を撤去する田中幸太郎 日体大らボランティアの宿泊は体育館で雑魚寝
津波と火災で壊滅的な被害を受けた宮古市
焼けてしまった山田駅 破壊された“宮古の万里の長城”と言われた防波堤


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