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白井勝太(東京・帝京)が関東高校王者へ「この夏は1年生でインターハイを優勝します」
【2011年6月6日】

(文・撮影=増渕由気子)




 関東高校大会74kgはJOCアカデミー所属の白井勝太(東京・帝京)が4試合中3試合をフォール勝ちする抜群の内容で優勝、高校レスリング界に鮮烈デビューを遂げた。(右写真=左から江藤コーチ、白井、渡辺監督)

 JOCアカデミーに第1期生として入所し、4年目を迎えた白井には、「高校の壁」は皆無だったようだ。「JOC杯(ジュニアオリンピック)などで高校生と対戦したことあるし…」と、物怖じせずに実力を100パーセント発揮。準決勝までは全試合でフォール勝ちし、決勝戦では、霞ヶ浦のブランドに気持ちが左右されることはなく、落ち着いて2−0で勝った


■アカデミー男子初の高校生選手

 4月の全日本選抜選手権女子55kgで準優勝の村田夏南子(東京・安部学院高)など、女子ではアカデミーに所属して高校に通う選手が数名いるが、男子は白井が初めてのケースとなった。

 今年4月からは都内の帝京高校に進学。野球などクラブ活動が盛んな同校が、幸運にも味の素トレーニングセンターから徒歩20分の距離にあり、毎日歩いて通っている。アカデミーの江藤正基専任コーチが同校の外部コーチに就任し、レスリング部を創設してもらった。江藤コーチは「レスリングと同じくアカデミー制度がある卓球で、現在帝京高校在籍の選手がいます。高校がアカデミーをすごく理解してくださっているので、安心です」と、帝京に進学を決めた理由を話した。

 帝京のメリットはこれだけではない。渡辺忠治郎監督は「スポーツに取り組み、優秀な成績を残していても、定期試験は一般学生と同じ試験を受けなければなりません。でも、帝京には白井選手のような選手たちのために特別なカリキュラムがあるのです」と、学校を挙げてスポーツ選手のサポート体制が確立していること強調した。そのおかげで白井は、先日の定期試験を無事にクリアしたそうだ。

 高校で早くも優勝タイトルを手に入れた白井が見据える次の目標は、8月のインターハイ(2〜5日、岩手・八幡平市)。昨年、ユース五輪で優勝するなど国内外で活躍した高橋侑希(三重・いなべ総合)が2009年に達成して以来、3年ぶりの1年生王者を目指す。



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