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【特集】ラグビーの“なでしこJAPAN”で2016年リオ五輪を目指す!…日大OG・車屋綾香さん
【2011年7月26日】

(文=樋口郁夫)




 女子55kg級で全日本選手権3位の実績を残し、今春、スポーツ・ニッポン新聞社に入社した日大OBの車屋綾香さん(右写真)が、日本ラグビー協会のトライアウトを受験。見事に合格し、2016年リオデジャネイロ五輪へ向けて複数の企業からのサポートを受けて結成された「Rugirl−7(ラガール・セブン)」への入団を決めた。「トライアウトに合格しただけで、まだ代表入りとかではないです」と控えめながら、2014年にフランス・パリで開催されるワールドカップ(15人制)と同五輪から採用される7人制の日本代表を目指し、「自分のできるところまでやってみたい」と、新たな挑戦をスタートさせた。

 車屋さんは今年3月に日大を卒業後、スポーツ・ニッポン新聞社に入社し広告局へ配属された。6月30日に広告主の神戸製鋼が特別協賛する高校女子大会の会見に出席したところ、その経歴が女子日本代表萩本光威監督の目にとまった。トライアウト受験を勧められ、今月10日に受験。ラグビーはまったくの素人だが、タックルに光るものがあったのか、16日に合格通知を手にした。

 もちろんプロ選手ではなく、勤務が免除されるわけではない。練習はすべて勤務の合間にやることになる。用具や練習場への交通費、遠征費などはすべて自己負担という完全なアマチュア選手。レスリングで鍛えたタックルという武器を持っているが、「走るのは苦手なんです」とのこと。15人制ラグビーに比べると、7人制ラグビーはタックル以上に走ることに比重のある競技だそうで、どちらであっても日本代表チーム入りへの道は決して平坦ではない。
(左写真=将来は記者志望。昨年の世界選手権で本ホームページの仕事をした時の車屋さん)

 しかし、サッカーの“なでしこJAPAN”の日本代表選手もプロと言える選手はひとにぎりで、大半が仕事との“二束のわらじ”で勝ち取った栄光。女子ラグビーはサッカーやバレーボールと違って歴史が浅く、広く人材を求めている段階。他競技からの転向選手も多くいて、スペシャリストばかりではない。レスリングで鍛えた体力があれば通用する可能性は十分にあるだろう。

 「なでしこJAPANで勇気をもらしました」と車屋さん。女子アスリートの世界での活躍が追い風になったようだが、自身は東日本大震災で壊滅的な被害を受けた岩手・宮古商高の卒業生(秋田県生まれ)で、被災地の人たちへ勇気を与えたいところ。目標ははるか彼方だが、人生、夢は大きいほうがいい。だ円形のボールにかける青春が期待される。



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