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八田会長の思い出

心に残る数多くの名言

日本レスリング協会常務理事 今泉雄策
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 レスリング関係者なら誰でも、故八田一朗会長のことを知っていると思っておりましたが、よく考えてみると、亡くなってから20年が過ぎております。大学生、高校生に八田会長と言ってもピントこないでしょう。日本レスリングを世界最強にするためにすべてをかけた元レスリング協会長の独特の八田語録を書いてみました。


 念ずれは事は成る。夢は現実のものにするには、まず思え、必ず実現すると念じなさい。信念を持たなければ、目的は達成されない。であるから君らは何時でも、何処でも、寝ているときでも、金メダルを取ると思い続けなさい。金を取るにはまず金を取る夢を見ることから始めよ。

 レスリングが強くなるために役立つことは全てやりなさい。レスリングのためにならないものは全てやめなさい。同じ飲むなら水より栄養のある牛乳を飲みなさい。電車に乗っているときは、つま先立ちしてバランスの練習をしなさい。つり革を握りつぶすぐらいの力で握力の練習をしなさい。

 夢の中でお化けが出てきても逃げないでタックルを入りなさい。メインポールに日の丸のあがる夢を見なさい。出来る、出来る、と毎日自分に言い聞かせている内に必ず出来るようになる。人間とはそういうものなのだ。

 酒も飲んで良い。たばこも吸って良い。女と遊んでも良い。しかしそれをするのは金メダルを取ってからにせよ。右の技だけでは半分である、左の技が出来ればその広がりは倍以上になる。その為には日常生活から不得意の手で飯を食い、糞を拭け。日頃から使っておけば必ず必ず使えるようになる。

 勝負は最後まであきらめてはいけない。勝負は最後まで気を許してはいけない。最後の最後数秒で勝負が逆転した例は数限りない。コーチ諸君も世界の大逆転試合のデーターを集めておけ。怠慢の選手のコーチは怠慢である。選手はコーチの姿を映した鏡である。

 英語の単語は500覚えれば、とりあえずは英語を話せるようになる。君等は毎日糞をするだろう。そのとき英語の単語を一つ覚えろ。一日一つ覚えれば一年で365個単語を覚えられる、そうすれば2年間糞をすれば英語が話せることになるはずだ。

 君らは何故このように辛いレスリングを続けているのか、金が儲かるわけでもなし、女ににもてるわけでもなし、それはレスリングが好きだからだろう。それなら強くなりなさい、誰よりも練習し、誰も出来ない技を考え出し、レスリングの世界一に成りなさい。

 外国に行っても恥ずかしくないマナーを身につけなさい。食事をするとき音を立てるな、ホテル部屋の外は道路と同じだぞ、ネクタイを締めろ、靴を磨け、ひげを剃れ、ワイシャツは何時も洗っておけ、そうすれば何処に行ってもジェントルマンで通るぞ。

 日本国の危機であった幕末には、高杉晋作、坂本龍馬、西郷隆盛、勝海舟、数々の英雄が排出した。君らも命がけで事にあたれば英雄になれるのだ。


 八田会長の偉さ、すばらしさ、は参議院議員になっても常に選手に接して、多岐に渡り話をし、又選手の話も聞き、選手達にやる気と自信を植え付ける努力をしていたことでしょう。