幼少期に必要な食事の知識【2006年8月1日】

(報告者:強化委員会、スポーツ医・科学委員会委員 久木留 毅)

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 情報社会と言われる現在、選手は多くの情報源を持っています。栄養の知識についてもテレビ、雑誌、インターネット等、多くの情報源があります。選手の中にはこれらの情報に惑わされ安易にサプリメントに頼っている場合も少なくありません。

 レスリング競技は減量を伴うため、正しいサプリメントの摂取は必要な場合もあります。しかしドーピング検査が厳しくなっている状況を踏まえると、安易なサプリメントの摂取は危険です。国際オリンピック委員会(IOC)における2002年の調査では、欧米において634品目の内94品目(14.8%)がドーピング検査で陽性反応(試合に出場できなくなる)となる成分を検出したことを報告しています。

 選手、指導者、保護者は、幼少期からサプリメント(栄養補助食品)に頼らない食事(栄養)の知識を身に付ける必要があります。代表になってから食事の形を変えるには、かなりの意識改革が必要になりますが、幼少期に身に付けた食事の基本は、その後の成長へも大きく影響するだけでなく、一生忘れることはありません。

 そこで、一つの試みとして、国立スポーツ科学センター(以下JISS)の協力を得て7月22日(土)に東京で開催されたレスリング全国少年少女選手権(1399人参加)で、基本的な食事の知識についてJISS栄養指導室の中嶋佳子さんにパネルを展示してもらいプチセミナーを開催して頂きました。さらに資料を作成してもらい配布もしました。多くのちびっ子選手、保護者、指導者の方々が興味を示してくれました。

 詳細については、JISSホームページ(http://www.jiss.naash.go.jp/)上で情報研究部の白井さんが報告してくれる予定です(JISS in Action)。JISSのホームページに内容が掲載された後、本ホームページにおいてもスポーツ医科学情報として掲載致します。

※レスリング協会では、男子代表の栄養関係をスポーツ医科学委員の青山晴子さんに、女子代表とジュニアの栄養関係をJISSの中嶋佳子さんに担当して頂いています。お二人とも、丁寧に各選手、各年代に応じた指導を実施してくれています。

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