【特集】ジュニアレスリング選手のアンチ・ドーピングに関する意識調査報告【2006年5月3日】

(報告者:強化委員会、スポーツ医・科学委員会委員 久木留 毅)


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 昨年、レスリングの世界選手権を視察した国際オリンピック委員会(以下IOC)のジャック・ロゲ会長は、各国の記者によるレスリングが五輪種目として存続するための質問に答え、「ワールドワイドであり、スペクタクルであるため、アンチ・ドーピングをしっかりしている限り大丈夫」との見解を示しました。

 IOCでは2002年に欧米の業者が製造した栄養補助食品(サプリメント)の調査を行った結果、14.8%の品目でドーピング検査を行った場合、陽性反応となる可能性のある成分を検出したとの報告をだしました。現在、IOC加盟団体においてドーピング検査で陽性反応が出た場合は、国内外の大会への参加が認められない規定があります。もちろんオリンピックもこの規定が適用されます。

 これらのことから、日本代表選手だけでなくジュニア期からアンチ・ドーピングに関する教育啓発活動を実施していくことは、オリンピックでレスリング競技を永続させ、日本がメダルを獲得するために必要不可欠なことです。

 昨年、スポーツ医・科学委員会では、JOC杯出場選手を対象にアンチ・ドーピングに関するアンケート調査を行いました。その結果、アンチ・ドーピングに関心がある選手は、男子96名(20%)、女子7名(30%)と、まだまだ少ない傾向にありました。また、日常の練習でサプリメントを使用しているのは男子263名(54%)、女子6名(25%)と比較的多くの選手がサプリメントを使用していることが明らかになりました。

 栄養補助食品(サプリメント)は、正しい栄養の知識の基に使用することが必要です。そのためにも指導者やご父母の方々は、正しい栄養の基礎知識を学ぶことが大切です。

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