2008年 天皇杯全日本選手権優勝選手

(2008年12月21〜23日、東京・代々木第二体育館)




55 長谷川恒平(はせがわ・こうへい)=福一漁業、2年連続2度目の優勝

 1984年11月22日、静岡県生まれ、24歳。焼津リトル出身。静岡・焼津中央高〜青山学院大卒。全国少年選手権4連覇、全国中学生選手権2連覇。焼津中央高時代に02年のインターハイなど7つの全国タイトルを獲得。青学大ではグレコローマンで03年に世界ジュニア選手権に出場し、05・06年の全日本学生選手権でも優勝する一方、フリースタイルでも全日本大学選手権3連覇を達成など。卒業後はグレコローマンに専念し、07年全日本社会人選手権優勝を経て同年の全日本選手権で初優勝。しかし北京五輪予選を勝ち抜けず、五輪出場は逃した。164cm。
60 佐藤亮太(さとう・りょうた)=日体大、初優勝

 1986年10月15日、青森県生まれ、22歳。八戸キッズ出身。青森・八戸工大一高卒。高校時代は全国大会無冠。日体大に進み、06年JOC杯ジュニアオリンピック2位となり、アジア・ジュニア選手権に出場。07年全日本学生選手権3位と力をつけ、08年全日本学生選手権で優勝。171cm。 
66 藤村義(ふじむら・つとむ)=自衛隊、初優勝

 1982年3月28日、山口県生まれ、26歳。山口・田布施農高〜徳山大卒。高校時代は全国大会無冠だったが、徳山大で西日本学生選手権2度優勝。ほかに03年の全日本大学グレコローマン選手権で2位。自衛隊に進み、05年ユニバーシアード代表、06年アジア選手権代表と実力をつける。国内では06年全日本選手権3位、07年全日本選抜選手権2位など、日本一にあと一歩と迫ったが、手が届かなかった。07年11月にはNYACホリデー・オープンで優勝し、08年北京五輪予選出場の機会も得たが、手が届かなかった。174cm。
74 鶴巻宰(つるまき・つかさ)=自衛隊、4年ぶり2度目の優勝

 1984年5月19日、山形県生まれ、24歳。山形・米沢工高〜国士大卒。高校時代の02年に全国高校グレコ選手権と国体グレコで優勝し、全日本選手権4位へ。国士大へ進み、03年は全日本大学グレコ選手権の1年生王者へ。04年は2階級にまたがって学生二冠を制し、全日本選手権で優勝。20歳6ヶ月3日のグレコローマン全日本王者は史上6位の記録。05年はアジア選手権3位、ユニバーシアード3位など力をつけた。07年全日本選抜選手権とプレーオフで全日本王者の菅太一を破り、世界選手権に初出場。07年は全日本王者を逃し、北京五輪予選出場の機会をもらったが生かせなかった。181cm。
84 斎川哲克(さいかわ・のりかつ)=両毛ヤクルト販売、初優勝

 1986年3月11日、栃木県生まれ、22歳。栃木・足利工高〜日体大卒。高校時代の03年にJOC杯カデット選手権、全国高校生グレコローマン選手権、国体で優勝し、アジア・カデット選手権でも優勝。日体大へ進み、04年に1年生で全日本学生選手権に優勝。同年の全日本選手権では2位に入賞した。その後、けがによる戦線離脱もあったが、07年には2階級にまたがって学生四冠王に輝き、フリースタイルででも実力を見せた。同年全日本選手権は96kg級で北京五輪出場を目指したが、かなわなかった。08年は国体96kg級で北京五輪代表を破って優勝した。185cm。
96 北村克哉(きたむら・かつや)=FEG、初優勝

 1985年12月14日、東京都生まれ、23歳。東京・東京工高(現駒場高)〜専大卒。高校時代の03年に全国高校選抜選手権120kg級3位、国体フリースタイル97kg級3位など。専大へ進み、04年JOC杯ジュニア選手権フリースタイル96kg級3位へ。05年に120kg級で全日本学生選手権を制し、全日本大学選手権は3位。全日本選手権でも3位に入賞した。06年は明治乳業杯全日本選抜選手権で勝ち、世界選手権へ出場。
182cm。
120 中村淳志(なかむら・あつし)=カンサイ、初優勝

 1985年5月26日、奈良県生まれ、23歳。奈良・広陵高〜拓大卒。高校時代に国体2位。拓大に進み、05年JOC杯ジュニアオリンピックで優勝し、世界ジュニア選手権に出場。同年の全日本学生選手権3位、全日本大学グレコローマン選手権2位。07年にはフリースタイルの学生二冠を獲得した。同年の全日本選手権はグレコローマンで2位。08年5月には北京五輪予選出場に抜てきされたが、資格獲得はならなかった。同年の全日本選抜選手権と国体はともに2位。184cm。




55 湯元進一(ゆもと・しんいち)=自衛隊、初優勝

 1984年12月4日、和歌山県生まれ、24歳。和歌山ジュニア教室出身。和歌山・和歌山工高〜拓大卒。高校時代は全国高校選抜大会2位など。拓大1年の03年に全日本学生選手権2位、翌04年に全日本大学グレコローマン選手権で優勝したが、本来はフリーの選手。06年は国体で優勝。07年はダン・コロフ国際大会で優勝と海外初優勝と力をつけた。北京五輪出場には手が届かなかったが、08年全日本選抜選手権で初優勝。双子の兄の健一は08年北京五輪で銅メダルを取った。162cm。
60 前田翔吾(まえだ・しょうご)=日体大、初優勝

 1987年5月23日、愛知県生まれ、21歳。刈谷チビッコ教室出身。愛知・星城高卒。高校時代には中京女大に通い吉田沙保里選手相手にも練習。高校3年の05年に、JOC杯ジュニア選手権で大学生に混じった中で2位となり、アジア・ジュニア選手権で3位位入賞。同年の国体で優勝。日体大へ進み、08年の全日本学生選手権で3位となり、同年の国体2位を経て、全日本大学選手権で優勝した。170cm。
66 米満達弘(よねみつ・たつひろ)=拓大、初優勝

 1986年8月5日、山梨県生まれ、22歳。山梨・韮崎工高卒。高校時代は60kg級で全国高校グレコローマン選手権と国体グレコで優勝。拓大に進みフリースタイルへ。2年生の時(06年)にJOC杯ジュニアオリンピックで優勝し、世界ジュニア選手権に出場。同年度の全日本選手権でアテネ五輪5位の池松一彦を破るなどして2位に躍進。07年はヤシャ・ドク国際大会(トルコ)で2位に入賞するなど力をつけ、全日本学生選手権で優勝。全日本大学選手権は74kg級で2位。08年は世界学生選手権で優勝したあと、学生二冠を獲得。168cm。
74 長島和幸(ながしま・かずゆき)=クリナップ、3年連続3度目の優勝

 1981年9月25日、群馬県生まれ、27歳。太田倶楽部出身。群馬・館林高〜早大卒。高校時代の99年に双子の兄・正彦とともに四冠(全国高校選抜大会、インターハイ、全国高校生グレコローマン選手権、国体)を制覇。早大へ進み、00年にJOC杯ジュニア選手権76kg級で優勝し、世界ジュニア選手権へ出場。翌01年もJOC杯に勝ち、世界ジュニア選手権は6位入賞。同年、全日本学生王者へ。02年は学生二冠を制し、世界学生選手権で6位。04年は世界学生選手権で銅メダルを獲得。06・07年に全日本王者に輝いているが、世界選手権と北京五輪の出場は逃した。175cm。
84 小幡邦彦(おばた・くにひこ)ALSOK綜合警備保障、初優勝(他階級と合わせ3年ぶり8度目の優勝)

 1980年10月17日、山口県生まれ、28歳。斎藤道場出身。茨城・霞ヶ浦高〜山梨学院大卒。97年に高校四冠王。翌年は五冠王に輝く。山梨学院大1年の99年に世界ジュニア選手権3位のあと、全日本選手権で初優勝。00年も全日本選手権で勝ち、01年は東アジア大会3位、アジア選手権3位、世界選手権出場。02年もアジア大会と世界選手権へ。03年世界選手権で10位に入賞。04年はアジア選手権3位のあと、アテネ五輪へ出場。05年もアジア選手権、世界選手権へ出場した。06年全日本選手権で敗れたあと84kg級へアップ。北京五輪出場は逃した。176cm。
96 松本慎吾(まつもと・しんご)=一宮運輸、初優勝(他階級と合わせ10年連続10度目の優勝)

 1978年3月3日、愛媛県生まれ、30歳。愛媛・津島高〜日体大卒。高校時代に国体王者へ。98年にフリー二冠を含めて学生四冠王へ。99年はグレコで学生二冠を制し、全日本選手権初優勝。シドニー五輪は逃したが、00年世界学生選手権4位。01年は東アジア大会で勝ち、アジア選手権2位のあと、世界選手権へ初出場。02年のアジア大会で金メダル。03年も世界選手権へ出場し、04年はアテネ五輪で7位に入賞した。05年はアジア選手権2位、世界選手権8位。06年も世界選手権9位、アジア大会3位の成績を残した。06年度全日本選手権で8連覇を達成。しかし07年世界選手権は初戦で敗れた。08年はアジア選手権優勝を経て北京五輪へ出場。その後、」フリースタイルで全日本選手権に出場した。175cm。
120 荒木田進謙(あらきだ・のぶよし)=専大、初優勝

 1988年3月26日、青森県生まれ、20歳。八戸クラブ出身。青森・光星学院高卒。高校時代の04・05年に2年連続で高校三冠王を獲得するとともに、2年連続で全日本選手権2位。専大に進み、1年生の時(06年)にJOC杯ジュニアオリンピック、全日本学生選手権、全日本大学選手権と国体の学生タイトルを総なめにするとともに、アジア・ジュニア選手権で優勝。07年は故障で戦列を離れたが、08年は全日本選抜選手権で優勝し、世界ジュニア選手権で3位入賞。国体でも勝った。180cm。





48 坂本真喜子(さかもと・まきこ)=自衛隊、4年ぶり3度目の優勝

 1985年11月20日、青森県生まれ。23歳。愛知・中京女大附高卒。00年全国女子中学生選手権優勝などを経て、姉・日登美(世界V2)を追って中京女大付高へ。02年に全日本選手権48kg級で勝ち、03年は世界選手権に出場して5位。アテネ五輪は伊調千春との争いに敗れて逃したが、05年世界選手権に出場して銅メダル獲得した。その後、伊調千春の壁を破れず、北京五輪出場も逃した。08年全日本女子選手権で優勝し、同年の世界女子選手権に出場し銅メダルを獲得した。152cm。
51 堀内優(ほりうち・ゆう)=京都・網野高、初優勝

 1990年12月23日、京都府生まれ、17歳。網野教室出身。全国少年少女選手権に5度優勝。2004・05年に全国中学生選手権2連覇。2004年からJOC杯のカデット、ジュニアにわたって5年連続優勝を達成し、この間、2005〜07年にアジア・カデット選手権で3年連続優勝。2008年は世界ジュニア選手権で優勝、国内では全日本女子選手権で2位のあと、全日本選手権で初優勝。155cm。
55 吉田沙保里(よしだ・さおり)=ALSOK綜合警備保障、7年連続7度目の優勝

 1982年10月5日、三重県生まれ、26歳。一志ジュニア出身。三重・久居高〜中京女大卒。少年少女レスリング時代から名をとどろかせ、同世代の大会で無敗。1999年世界カデット選手権優勝のあと、2000・01年の世界ジュニア選手権で2連覇。2002年はアジア大会で勝ち、世界選手権に初出場初優勝。続く全日本選手権でも勝った。2003年に世界V2を達成し、2004年のアテネ五輪で優勝。2005年にワールドカップ、アジア選手権、ユニバーシアード、世界選手権、2006年にワールドカップ、世界選手権、アジア大会と優勝を重ね、2007年もアジア選手権、世界選手権で優勝。2008年1月のワールドカップで連勝記録は途切れたが、同年のアジア選手権で優勝して再起。北京五輪で2連覇を達成し、続く世界女子選手権でも優勝した。156cm。
59 山名慧(やまな・けい)=中京女大、初優勝

 1986年7月1日、福井県生まれ、22歳。愛知・中京女大付高卒。2004年にアジア選手権の代表へ。7位に終わったものの、同年のJOC杯ジュニア選手権でも勝ち、アジア・ジュニア選手権で優勝。2005年はジュニアでアジアと世界を制覇。2006年もアジア・ジュニア選手権で優勝した。同年の全日本選手権は2位。2007年はジャパンビバレッジ・クイーンズカップで優勝したものの、プレーオフに敗れて世界選手権の出場は逃した。しかし、ワールドカップの代表に選ばれたほか、アジア選手権3位と国際大会を積み、2008年の全日本女子選手権2位を経て、全日本選手権で初優勝した。160cm。
63 西牧未央(にしまき・みお)=中京女大、初優勝(他階級と合わせ3年連続3度目の優勝)

 1987年7月15日、大阪府生まれ。21歳。吹田市民教室出身。愛知・至学館高卒。大阪・吹田市民教室時代から全国に名をとどろかせ、全国少年選手権7年連続優勝。中学時代は2000カラ年に3年連続で全国大会二冠(全国中学生選手権・全国女子中学生選手権)を制した。2004年ジャパンクイーンズカップ59kg級で優勝。2005年はアジア・ジュニア選手権と世界ジュニア選手権の63kg級で優勝した。2006年もJOC杯ジュニア選手権で勝ち、世界ジュニア選手権で優勝。59kg級の全日本チャンピオンに輝いたが、2007年世界選手権出場は逃した。同年全日本選手権は67kg級で優勝。2008年に世界選手権初出場で初優勝を飾り、63kg級で初の全日本チャンピオンに輝いた。160cm。
67 井上佳子(いのうえ・よしこ)=中京女大、2年ぶり2度目の優勝

 1988年4月26日、山口県生まれ。チャレンジ出身。愛知・至学館高卒。20歳。2004・05年に全国高校女子選手権優勝。2005年はアジア・カデット選手権でも優勝した。2006年はJOC杯ジュニア選手権で勝ち、世界ジュニア選手権で優勝。全日本選手権でも初優勝した。2007年はジャパンビバレッジ・クイーンズカップで2位となったが、プレーオフに勝って世界選手権に出場し5位に入賞。その後、59kg級に落としたが結果を出せず、67kg級に戻して2008年全日本選手権で2度目の優勝。160cm。
72 佐野明日香(さの・あすか)=自衛隊、初優勝

 1982年5月27日、愛媛県生まれ、26歳。愛媛・宇和島東高〜帝京大まで柔道に親しみ、自衛隊へ。けがで伸び悩み引退も考えたが、レスリングと出合って再起。2006年度の全日本選手権で2位へ。2007年はNYACホリデー・オープン大会(米国)で2位となり、2008年ワールドカップに選抜されるなど国際大会も経験した。この間、国内では67kg級に落としたあと、2008年全日本選手権で72kg級に戻して初優勝した。168cm。


天皇杯 
吉田 沙保里

男子グレコ最優秀選手
藤村 義

男子フリー最優秀選手
松本 慎吾

女子優秀選手
西牧 未央


《前ページへ戻る》