江 藤 正 基(えとう・まさき)

 78、79年ころ、日本のフリー57kg級には世界チャンピオンが2人いたといわれた。1人が本当の世界チャンピオンの富山英明。もう1人が富山に全日本王者をはばまれた江藤。「グレコに転向すれば、世界チャンピオンが2人になる」という周囲の勧めにしたがってグレコに転向した江藤は、83年に全日本選手権初優勝すると、世界選手権初出場で優勝。地元・ソ連を破っての優勝だけに価値があった。グレコローマンの世界チャンピオンは、62年の市口政光(バンタム級)、70年の藤本英男(62kg級)に続いて3人目。

 優勝が期待された84年ロサンゼルス五輪では、決勝でリードされたあとの第2ピリオド、相手を完全に押さえ込んだものの、微妙な判定でフォールは認められず、不運な銀メダルに終わった。


【生年月日、出身】
1954年2月26日、鹿児島県出身。

【所 属】鹿児島・鹿児島商工高〜自衛隊(世界王者時)

【全日本選手権成績】75年3位、78年2位、79年2位(以上フリー57kg級)、80年2位、82年2位、83年優勝、84年優勝(以上グレコ57kg級)

【五輪・世界選手権成績】83年=優勝、84年ロサンゼルス五輪=2位(以上グレコ57kg級)

 

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