【特集】T・モンゴメリへの雪辱を胸に渡米…浜口京子




 先月11〜12日に東京・代々木第二体育館で行われたワールドカップ(W杯)で不覚の2敗を喫した女子72kg級の浜口京子(ジャパンビバレッジ)が、トッカラ・モンゴメリ(米国)への雪辱を胸に11月2日、米国コロラドスプリングスへ向かった。

 女子チーム
(写真右)は9月の世界選手権(ニューヨーク)、先月のW杯とその後の世界合宿(東京)と続いた激闘の疲れもとれた様子で、各選手ともほどよく引き締まった表情。鈴木光監督(ジャパンビバレッジ)は標高が約1700メートルでの合宿の目的を「技術より体力づくりが中心」とし、心肺機能をアップさせることを主眼においている。

 しかし、浜口
(写真下)の目にはモンゴメリしか映っていない様子。W杯で負けたもう1人のクリスティン・ノードハゲン(カナダ)には、その後に東京・国立スポーツ科学センターで行われた世界合宿で十分に借りを返したが、モンゴメリは大学の授業の関係で合宿に参加せずに帰国。リベンジのチャンスがなかったからだ。アテネ五輪で借りを返すことが本当の意味でのリベンジなのだが、1日も早くリベンジしておきたいのだろう。

 浜口は01年世界選手権で苦杯をなめた同年世界チャンピオンのエディタ・ビトコウスカ(ポーランド)を、02年夏の世界合宿(東京)で完ぷなきまでにやっつけ、精神的な優位を植え付けてその年の世界選手権でリベンジした経験を持つ。横綱がライバルをけいこ場でとことんたたきのめし、苦手意識を植え付けて本番でも優位に立つことがよくあるが、浜口もこのやり方で世界一を奪還している。

 五輪で勝つには、モンゴメリへ地力の違いを見せつけておきたい。浜口は「モンゴメリとスパーリングできれば、今回の合宿はほとんど成功。必ずたたきのめします」と宿敵へのリベンジを誓っていた。

 また、12月21〜23日の天皇杯全日本選手権(東京・代々木第二体育館)で55`級に出場し、吉田沙保里(中京女大)とのアテネ五輪に向けたサバイバルマッチに挑む59kg級世界チャンピオンの山本聖子(ジャパンビバレッジ)は「高地で辛いとは思うけど、パワーとスピードをアップして戻ってきたい」と気合十分。受ける立場の55kg級世界チャンピオンの吉田は「思い切りがんばって全日本に備えたい」とこちらも臨戦態勢だった。



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