【特集】第3回加ト吉杯女子ワールドカップ日本選手コメント


 【48kg級】坂本真喜子(愛知・中京女大付高)「アメリカは世界2位の選手が相手だったので、自分の力が分かると思って楽しみにしていました。相手の力強さと自分の力不足を感じました。自分が負けてしまったせいで優勝できず、チームには申し訳ない気持ちでいっぱいです。この大舞台で負けて勉強したことを、必ず次につなげていきたいと思います。課題は、やはり体を大きくして筋肉をつけることです」


 【48kg級】山本美憂(PUREBRED)「久々の国際大会で、100パーセントにはまだほど遠いですが、まずまずのできだったと思います。もうちょっと思い切り攻めないとダメです。トップバッターだったので、とにかくチームに勢いを付けたい、流れを作りたいと思って戦いました。試合は楽しめました。このリズムでアテネに向けてがんばりまりたいと思います」


 【51kg級】伊調千春(中京女大)「世界選手権では姉妹同時優勝をできたので、ワールドカップでも妹と2人でがんばってチームの優勝に貢献できればと思っていました。世界選手権と合宿で傷めた右足首は、歩くだけでもまだかなり痛みます。試合のときは痛み止めの注射をしていましたが、アメリカ戦のときはもう最後なのでしませんでした。

 自分が落としたせいでチームが負けてしまって、みんなに申し訳ないと思います。スタミナも足りないし、もっと前へ前へ出るレスリングをしないといけないと思います。51kg級はこの大会を最後にして、今日からもう48kg級のつもりでやっていきます」


 【51kg級】服部担子(中京女大)「試合ではすごく緊張しましたが、出るからには絶対勝つという気持ちで戦いました。2試合ともフォールできたよかったです。これからの戦いにつなげていきたいと思います」


 【55kg級】吉田沙保里(中京女大)「55kg級の日本のエントリーは1人でしたが、初日は3試合ともフォール勝ちで2ラウンドまでいってないので、2日目もがんばれました。今回は試合のなかで両足タックルと片足タックルのコンビネーションを考えて戦えたのがよかったですね。

 どの試合も自分の攻めのレスリングができましたから、内容的には世界選手権よりいい勝ち方だったと思います。国内予選は相当厳しいと覚悟していますが、聖子さんには絶対負けず、アテネに行きたいと思います」


 【59kg級】山本聖子(ジャパンビバレッジ)「順調に仕上がっていたので、6分間といわず、延長になっても9分間足を止めずは動き回れることを、この大会で確認したいと思っていました。でも、アメリカ戦は最後の試合ということで緊張してしまい、勝たなければいけないと自分にプレッシャーをかけてしまったことで、足が動きませんでした。相手のペースに巻きこまれて、自分らしくできなかった点を反省しています。

 59kg級だったこととは関係ありません。自分が選ばれて任されたわけですから、どの階級でも十分戦えるようにしてこなければいけないのに、それができなかった自分の問題です。今日から55kg級に気持ちを入れ換えて、国内予選も全て勝って絶対自分がオリンピックに行きます」


 【63kg級】伊調馨(中京女大)「世界選手権で接戦をしたアメリカのサラ・マクマンをきっちり倒すことを目標に、この大会に臨みました。いつも通りの自分のレスリングができたと思います。それにしても、1日3試合はきつく、世界選手権より辛かったです。

 マクマンも(世界選手権に続く今回の試合で私に)2回やられたわけですから、そろそろ諦めてくれるといいんですけど…。そうはいかないでしょうね。死ぬ気でやってきて、もっと強くなってくるでしょうから、自分もその上をいくぐらい練習して次も必ず勝ちたいと思います」


 【67kg級】斉藤紀江(ジャパンビバレッジ)「自分の中ではいい試合ができたと思いますが、まだまだ甘いと反省しています。全日本選手権から72kg級に変えて、オリンピック目指してがんばります」


 【72kg級】浜口京子(ジャパンビバレッジ)「負けたカナダ戦もアメリカ戦も、積極的に攻めていけたのはよかったと思いますが、詰め、特にタックルでの詰めが甘かったです。オリンピックまでにやらなければいけないことがいくつも分かったのが収穫です。課題を全て克服して、今まで以上に強くなって帰ってくるのが私の義務。人一倍も二倍も三倍も、ブッ倒れるぐらい練習します」


 鈴木光監督(ジャパンビバレッジ)「地元開催の大事なワールドカップで3連覇を逃してしまい、スミマセンでした。申し訳なく思っています。選手は全員本当によくがんばってくれました。1カ月前、ニューヨークのマジソン・スクエア・ガーデンで"USA"コールに包まれながら7階級中5階級を制すことができましたが、今回は日本の大応援団で逆の雰囲気でしたが、その中でアメリカにリベンジされてしまいました。

 アメリカ戦のあと、『おごる平家は久しからず』という言葉が浮かびましたが、我々は少しもおごっているわけではありません。これを機会にいっそう励みにして監督、コーチ、選手一丸となって今以上に精進します。明日からの世界合宿やアメリカ遠征で、さっそく借りを返したい。各国の選手を打ち倒して、オリンピックまでに有利な形を築いていきたいと思います」


 浜口平吾団長(浜口ジム)「まだまだ未熟ということです。世界を相手に金メダルをとるということは、それほど甘いものじゃない。団長として、また京子の専任コーチとして、応援してくれるみなさんの期待を裏切った責任を感じています。

 監督、コーチ、選手はよくやったと労いの言葉をかけさせていただきたいと思います。京子が負けたのは、2試合ともこちらの力を利用されてひっくり返されての失点でした。カナダもアメリカもみんなよく研究してきていると感じます。京子には1つ、2つ、3つ先を読む、処理をもっと勉強させて、スタミナ、スピード、キレ、メンタル、全ての面でもう一度鍛え直します。

 みなさん、日本チームを応援していただき本当にありがとうございました。見ていてください。もっと、もっと強くなります」


 【注】岩間怜那選手、正田絢子選手は、ともに試合後にコメントがとれなかったため、誠に申し訳ありませんが、割愛させていただきます。(取材・構成=いずれも宮崎俊哉)




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