永田克彦が五輪出場資格を獲得…世界グレコ選手権第3日(午前)




 永田勝彦がアテネ五輪出場権を獲得! 世界グレコローマン選手権第3日は10月4日、各階級の予選などを行い、74kg級に出場したシドニー五輪69kg級銀メダリストの永田克彦(新日本プロレス)が決勝トーナメント予備戦で負けたものの10位を確保。五輪出場資格を獲得した。

 しかし60kg級の笹本睦(綜合警備保障)は、予選3回戦でヌラン・コイザイガノフ7(カザフスタン)にリフトで4点を奪われ、最後の1分間で必死に攻めたものの3−4で試合終了。決勝トーナメントに進めず。五輪出場資格を逃した。

 96kg級の加藤賢三(自衛隊)は、予選3回戦で途中追い上げたものの最後はテクニカルフォール負け。2戦2敗となった。

 この日で日本選手は全員が終了。永田の10位が最高で、五輪出場資格は1階級のみとなった。日本選手の成績は下記の通り。(細線は既報)(写真=保高幸子)


 【60kg級】笹本睦(綜合警備保障)   42選手出場

予選1回戦  BYE
予選2回戦 ○[Tフォール、5:08=10-0] Alois Fassler (スイス)
予選3回戦 ●[3−4] Nurlan Koizhaiganov(カザフスタン)

 
《経過》パッシブを取られた笹本は、パーテールポジションから上げられ、0−4とリードされた。第2ピリオド、笹本が前に前に進んだものの。パッシブコールはもらえない。2分11秒、やっとパッシブを取りパーテールポジション。リフトで足をさわら2−4。ラスト15秒、俵返しを上げてリフトポイントを取ったものの、相手は場外へ。微妙な判定だったが、同点のポイントにはならなかった。

 ○…笹本は 「最後にあと1点入って並んだと思ったのですが、取ってもらえなかった」と判定に無念そう。「今回は強い選手がけっこう負けています。来年の2次予選は厳しい争いになりますね。前回(シドニー五輪予選=5大会中、上位3大会の合計得点を競う)と違って、1大会で上位に入らないとならない」と話し、アテネ五輪までの厳しい闘いを覚悟していた。(取材・文=ビル・メイ)


 【74kg級】永田克彦(新日本プロレス職)   40選手出場

予選1回戦  BYE
予選2回戦 ○[3−1] Michal Jaworski(ポーランド)
予選3回戦 ○[6−0] Artur Stankevic(リトアニア)

    

 
《経過》永田は首投げを2度決め、安定した試合運びで快勝。決勝トーナメントへ進んだ。

決勝T予備戦 ●[8−12] Marko Yli-Hannuksela(フィンランド)


   

 
《経過》永田は一本背負いのミスから、リフトされ、後方に投げられ一気に0−5。しかし相手のローリングのミスで永田が上になり、2度返して同点へ。しかし2分30秒、胴タックルを受け、再びリフトを受けて5−12。

 第2ピリオド、永田はすぐに首投げて8点目を獲得。予備戦の最後の試合だったため、フォール負け、テクニカルフォール負けさえしなければ、この段階で10位を確保。そのままのスコアで試合を終え、五輪出場権を獲得した。

 ○…永田は決勝トーナメント予備戦で97年世界王者でシドニー五輪3位のマルコ・イルハンヌクセラ(フィンランド)に8−12で負けたものの、予備戦5試合の敗者の中でテクニカルポイント「8」は2番目の高得点で、10位となることが決まった。

 永田は「点数を計算して試合をした。とにかくポイントを取らないとならないのでがんがん飛ばしていきました。この大会は、内容よりも資格を取ることが大事な大会です」と目標達成を喜んだものの、負けたことは悔しく「全然喜んでいられないです」と結んだ。(取材・文=ビル・メイ)


 【96kg級】加藤賢三(自衛隊)  43選手出場

予選1回戦 ●[0−3] Ali Mollov(ブルガリア)
予選2回戦  BYE
予選3回戦 ●[Tフォール、5:42=5-17] Karam Gaber(エジプト)

 
 
《経過》加藤は大きなバック投げで投げられ、2−10と8点のリードを許したものの、第1ピリオドの終了直前にバックに回って横崩しをきめ5−10。しかし第2ピリオド、加藤の首投げのミスから再びバック投げを受け、12点差をつけらた。

 ○…「テクニカルフォールされて完敗でしたが、予想していたよりは内容が良かったと思います。今回は2試合しかできませんでしたが、世界の2位と3位と試合ができたというのはよい経験でした。怖さも感じませんでしたし、力を試したかったので」と、経験を積めたことに、ある程度の成果はあったようだ。(取材・文=ビル・メイ)




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