【特集】インターハイV逸の悔しさがバネ…55kg級・田中幸太郎【2007年3月30日】







 2004・05年に全国中学生選手権を連覇し、05年は最優秀選手に輝いた田中幸太郎(京都・八幡
=左写真)が1年生の最後にして55kg級で全国高校選抜大会優勝を成し遂げた。昨年はインターハイ3位、国体2位(いずれも55kg級)で、ともに優勝した2歳年上の内村勇太(佐賀・鹿島実)に敗れたもの。同年代あるいは1年上の年代では頭ひとつ抜け出していた。この結果は当然と言えば当然か。

 決勝戦は昨秋の国体の準決勝で闘った小俣涼平(茨城・霞ヶ浦)を予想したが、出てきたのは小俣を準決勝で破った若林健太(大分・日本文理大付)。しかし、「優勝するには、誰が相手でも全力で闘うだけ」と気合を入れた。

 1回戦    BYE
 2回戦   ○[2−0(5-0、TF8-0=2:00)]久嶋佑也(宮崎・日南工)
 3回戦   ○[2−0(1-0,2-1)]入江清志(茨城・鹿島学園)
 準々決勝 ○[2−0(1-0=2:11,1-0)]高ノ山翼(岐阜・岐南工)
 準決勝   ○[2−0(1-0,2-0)]柏木健太(埼玉・花咲徳栄)
 決  勝   ○[2−0(2-0,3-1)]若林健太(大分・日本文理大付)

 昨夏に1年生インターハイ王者を逃したことは悔しく、「この大会は絶対に優勝と思っていました」と振り返る。高校入学直後は体力的についていけない面があり、それが全国王者を取れなかった原因。インターハイまでの4ヶ月、国体までの半年では、2学年上の選手には、どうやっても追いつくことができなかった。

 その体力の問題も。1年がすぎ、どうにかクリアできた感触があるそうで、「このあたりが優勝につながったのだと思います」と言う。5試合で失ったポイントは2点だけ。決勝戦の1失点は3−0のあとのラスト5秒に無理をせずにやった1点であり、こらえようと思えばこらえられたもの。デフェンス力も強い。しかし「1点もやらない」が目標。インターハイまでの課題は「デフェンス力の強化」であり、「ポイントを確実に取ること」と、強さを求める気持ちには、わずかの妥協も入りそうにない。

 2年連続中学チャンピオンということで、これまでにも研究されていると感じていた。高校で全国一になった今後は、もっと注目され研究されると予想するが、「研究されても、その上をいけるように頑張りたい」と、追われる辛さも覚悟済みだ。

 成長期だけに、無理な減量はせずに階級アップも視野に入れているという。そうなったら、再び体力アップという大きな難関を乗り越えなければならない。しかし“米国レスリング史上最高のレスラー”と言われる五輪(1988年ソウル・92年バルセロナ)V2のジョン・スミスを目標に、オリンピックでの優勝を目指す気持ちは、ちょっとした苦しさでは揺るぐまい
(右写真:ジョン・スミスばりのローシングルを決める田中=青)

 インターハイまでの間に、JOC杯カデット選手権への出場が予定されており、ここで勝てば7月のアジア・カデット選手権への出場へとつながる。和製ジョン・スミスの国際舞台への飛躍を期待したい。


 ※2005年全国中学生選手権優勝の記事 ⇒ クリック



《iモード=前ページへ戻る》

《前ページへ戻る》