長谷川恒平(福一漁業)が2大会連続金メダル…ハンガリー・グランプリ最終日【2009年3月2日】



 【ゾンバトヘイ(ハンガリー)発、ビル・メイ記者】男子グレコローマンの全日本チームが参加した国際レスリング連盟(FILA)のゴールデンGP大会「ハンガリー・グランプリ」最終日は3月1日、ハンガリー・ゾンバトヘイで3階級が行われ、55kg級の長谷川恒平(福一漁業)が4試合に勝ち、2週間前の「ニコラ・ペトロフ国際大会」(ブルガリア)に続いての金メダルを獲得した(右写真)

 長谷川は初戦の2回戦で2007年世界軍隊選手権3位のマクシム・カザルスキ(ベラルーシ)を破り、3回戦でも勝って、準決勝は北京五輪9位の米国選手を撃破。決勝はポーランド選手を破った。

 66kg級の藤村義(自衛隊)は3位決定戦に回ったものの、昨年の欧州選手権2位のイオナト・パナイト(ルーマニア)に敗れ5位に終わった。55kg級の峯村亮(神奈川大職)と66kg級の清水博之(自衛隊)はともに7位。

 各選手の成績は下記の通り。これで男子の全日本チームの冬の遠征がすべて終了。フリースタイル2大会、グレコローマン2大会のすべてで金メダルを取った。(撮影=ビル・メイ)


 ◎男子グレコローマン

 【55kg級】長谷川恒平(福一漁業)      優勝=20選手出場

1回戦  BYE

2回戦  ○[2−0(2-0,5-0)]Maksim Kazharski (ベラルーシ)

 《経過》第1ピリオド、スタンド戦0−0のあと、グラウンドの攻撃権の長谷川がローリングで2−0へ。第2ピリオドは長谷川が胴タックルで相手を背中から落として3点。グラウンドではローリングを決めて5−0。

3回戦 ○[2−0(2-0,8-0)]Anders Ronningen (ノルウェー)

 《経過》長谷川は第1ピリオド、相手の一本背負いのミスでバックに回り1点。それからガツレンチを決めて2−0。第2ピリオド、相手の脇くぐりタックルをつぶして1点。リフト、ローリングなどで一気に攻めてテクニカルフォール。

準決勝 ○[2−1(0-1,2-0,1-0)]Spencer Mango (米国)

 《経過》北京五輪9位のマンゴ相手に、長谷川は第1ピリオドを0−1で落としたが、グラウンドの攻撃権となった第2ピリオドはローリングで取り、ピリオドスコア1−1へ。

 第3ピリオド、スタンド戦0−0のあと、長谷川がグラウンドの防御を選択し、下からエスケープして守り切り、決勝に進んだ。

【2回戦2P】ベラルーシが首投げを仕掛けるが、長谷川(赤)がこらえ、胴タックルでニアフォールへ。 【3回戦2P】相手のタックルをつぶした長谷川(赤)がリフト。 【準決勝2P】長谷川(青)がローリングを決める。

決勝 ○[2−0(2-0,1-0)]Mariusz Los (ポーランド)

 《経過》第1ピリオド、スタンド戦で0−0のあと、赤の長谷川がグラウンドの攻撃。ガツレンチ決めて先取した。第2ピリオドも0−0で、グラウンドを守った長谷川が、冬の遠征の2個目の金メダルを獲得。

【決勝1P】グラウンドでガッツレンチを決めた長谷川(赤)。 【決勝2P】2−0で勝ち、欧州遠征2大会連続優勝。 【表彰式】日本企業のスポンサーからメダルを受ける。

 【55kg級】峯村亮(神奈川大職)       7位=20選手出場

1回戦 ○[2−1 (2-1,4-3,1-1)] Arsen Eraliev (キルギス)

 《経過》昨年の世界ジュニア2位の選手に対し、峯村は第1ピリオド、ローリングを決められたが、スタンドから巻き込みに成功し2−1と逆転して先取。第2ピリオドは胴タックルを失敗して投げられ、最後は3−4。

 第3ピリオド、首投げで投げられたが、バックに回って1−1へ。ラスト・ポイントで勝った。

2回戦 ○[2−1 (0-3,6-0,3-1)]Lasha Gogitadze (グルジア)

 《経過》北京五輪10位の選手に対して、峯村は第1ピリオドにリフトされて0−3。第2ピリオドに反撃し、胴タックルや押さえ込みでテクニカルフォール。楽なピリオドとなった。

 第3ピリオド、腕取りに失敗してバックを取られたものの、テークダウンを奪い、ローリングで逆転勝ち。

3回戦 ●[0−2(0-1,0-1) ]Mariusz Los (ポーランド)

 《経過》第1ピリオド、スタンド戦は0−0。赤の峯村選手は先に攻めたが、相手を返せなくて先取された。第2ピリオド、相手の胴タックルを受けてしまい、0−1のスコアで終わった。

敗者復活戦 ●[0−2(0-3,0-1) ]Kristijan Fris (セルビア)

 《経過》第1ピリオド、峯村が場外に出てしまって1点を失い、一本背負いのミスからローリングされて0−3へ。第2ピリオドも場外に押し出されてしまい、2007年世界3位の選手に敗れた。

【1回戦】昨年世界ジュニア2位のキルギス選手と闘う峰村(青)。 【1回戦3P】首投げで倒されたが、しのいでバックを取った峯村。 【2回戦2P】峯村(青)がローリングでテクニカルフォールへ。 【3回戦】ポーランド選手に差され苦戦の峯村(赤)。

 【66kg級】藤村義(自衛隊)        5位=25選手出場

1回戦 ○[2−0(1-0,3-0)]Tomasz Swierk(ポーランド)

 《経過》第1ピリオド、スタンド戦0−0のあと、青の藤村選手がグラウンドをで守って1−0。第2ピリオドは、逆にグラウンドの攻撃でガツレンチと押さえ込みで3−0へ。

2回戦 ○[2−1(0-1,1-0, 2-0)]Mikhail Siamionav (ベラルーシ)

 《経過》北京五輪銅メダルの相手に、第1・2ピリオドを取り合ってピリオドスコアは1−1。第3ピリオド、藤村は得意な差し手からゴー・ビハインドで1点を先取。ベラルーシ・コーチのチャレンジ(ビデオ・チェック要求)が却下され、1点をもらって勝った。

3回戦  ○[フォール、2P=1:57(1-2,F5-0)]清水博之(自衛隊)

 《経過》第1ピリオド、清水の首投げで2点。しかし藤村が上になって1点。そのままのスコアで第1ピリオドが終了。第2ピリオド、0−0のあと、藤村がローリングを決め、そのまま押さえてフォール勝ち。

準決勝 ●[1−2(2-2,0-4,0-1)]Manuchar Tskhadaia (GEO)

 《経過》第1ピリオドは2−2のビッグポイントで藤村が取ったが、その後を連取され敗れた。

3位決定戦 ●[0−2(0-2,0-1)]Ionut Panait (ルマニア)

 《経過》第1ピリオド、藤村は場外に押し出された。直前ににバックを取ったように見えたが、認められずに0−1。第2ピリオド、スタンド戦0−0のあと、グラウンドで藤村の攻撃だったが。欧州2位の選手を返せず、メダルを手にできなかった。

【1回戦2P】藤村がガッツレンチで勝負を決める。 【3回戦】準決勝進出をかけて日本人対決(赤が藤村)。 【3回戦2P】藤村(赤)がガッツレンチからフォールへ。 【3位決定戦1P】藤村(青)が1点のよう見えるが判定は0点。

 【66kg級】清水博之(自衛隊)        7位=25選手出場

1回戦 ○[フォール、2P=1:48(0-4,F6-0)]Hussein Abdel Ghat Elyan(エジプト)

 《経過》第1ピリオド、0−0のあとグラウンドの防御となり、リフトされ、足を使ったペナルティで0−4とされた。第2ピリオドは自らのグラウンドの攻撃で、リフトして押さえ込みフォール勝ち。

2回戦 ○[1−2(1-0,5-1)]Marius Thommesen (ノルウェー)

 《経過》第1ピリオド、スタンド戦0−0のあと、グラウンドの防御の清水が守り切って先取。第2ピリオド、リードをされたものの、投げとガツレンチで逆転。

3回戦 ●[フォール、2P=1:57(2-1,F0-5)] 藤村義(自衛隊)

 《経過》藤村の項目、参照

【1回戦2P】第1Pにリフトを受けた清水(青)は、第2Pに豪快にリフトを決め、フォールに持ち込んだ。 【2回戦】ノルウェーのがぶり返しをこらえる清水(青)。 【2回戦2P】清水はリードされながらローリングなどで逆転。

 【96kg級】北村克哉(FEG)        24位=27選手出場

1回戦 ●[0−2(0-2,0-3)]Vladzimir Marusav(ベラルーシ)

 《経過》北村は第1ピリオド、「ヘド・アップ」のペナルティを2度取られ、第2ピリオドも力を出せずに黒星に終わった。

【1回戦】北村(赤)はベラルーシを崩したがポイントにはならず。

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