谷岡泰幸(自衛隊)が3位入賞…ハンガリー・グランプリ第1日【2009年3月1日】



 【ゾンバトヘイ(ハンガリー)発、ビル・メイ記者】男子グレコローマンの全日本チームが参加した国際レスリング連盟(FILA)のゴールデンGP大会「ハンガリー・グランプリ」第1日は2月28日、ハンガリー・ゾンバトヘイで4階級が行われ、60kg級の谷岡泰幸(自衛隊)が銅メダルを獲得。国際大会で初めてメダルを手にした。

 谷岡は初戦で佐藤亮太(日体大)との日本人対決を、審判のミスジャッジにも助けられて勝利。2回戦を勝ったあと、3回戦で昨年欧州8位でゴールデンGP決勝大会3位のレバズ・ラシュキ(グルジア)をも劇はした。準決勝で北京五輪55kg級銀メダリストのロブシャン・バイラモフ(アゼルバイジャン)に惜敗したあと、3位決定戦で昨年欧州7位のエドワ−ド・バルセジャン(ポーランド)を破った。

 74kg級の鶴巻宰(自衛隊)ら他の5選手は、いずれも上位入賞ならなかった。

 各選手の成績は下記の通り(撮影=ビル・メイ)。


 ◎男子グレコローンマン

 【60kg級】谷岡泰幸(自衛隊)      3位=23選手出場

1回戦  ○[2−1(0-3,5-3,1-0)]佐藤亮太(日体大)

 《経過》第1ピリオドは谷岡が胴タックルをミスして佐藤が上になり、佐藤が3−0。第2ピリオドの序盤、同じような動きから佐藤が首投げのような技を決めて3−0とリード。谷岡は必死に攻めて、一本背負いの巻き込みでバックを取って1点。それからガツレンチを2回返して5−3と逆転。

 第3ピリオド、0−0で、谷岡選手が選択権を示され、防御を選んで30秒を守って勝った。(注:後で判明したところ、実は佐藤に選択権があった=第1・2ピリオドの合計ポイントは佐藤が6点、谷岡が5点のため)

【1回戦1P】大会の最初の試合が日本人対決となってしまった。 【1回戦1P】谷岡(青)が胴タックルをミスし、佐藤が3点。 【1回戦2P】後がない谷岡がガッツレンチで逆転。

2回戦  ○[2−1(0-3,6-0,2-0)]Ihar Shmatko(ベラルーシ)

 《経過》第1ピリオドのスタンドは0−0。グラウンドは赤のベラルーシの選手が攻撃し、ローリングで3点を獲得。第2ピリオドは谷岡のペースとなり、腕取りタックル2回、腕が入った横崩し2回を決めて一気にピリオド終了。

 第3ピリオドはスタンド戦が0−0。グラウンドの選択権を持つ谷岡が上を選び、ガツレンチを掛けて勝ち進んだ。

3回戦  ○[2−0(2-0,1-0)]Revaz Lashkhi(グルジア)

 《経過》昨年のゴールデンGP決勝大会の3位の選手に対して、第1ピリオドのスタンドは0−0。赤の谷岡選手がグラウンドの攻撃となり、ローリング2回で先取。第2ピリオド、他に岡が腕取りタックルを決めて、バックを取って勝利を決めた。

準決勝  ●[1−2(0-1,2-0,0-1)] Rovshan Bayramov(アゼルバイジャン)

 《経過》相手は北京五輪55kg級銀メダリスト。第1ピリオド、もつれてバイラモフが上になって1点を先制。グラウンドが0点だったが1−0でこのピリオドを先取。第2ピリオドのスタンドは0−0。グラウンドの防御となった谷岡は30秒を守り切って1−0。ここでアゼルバイジャンのコーチがローリングでポイントを取ったとチャレンジ(ビデオチェック要求)。判定は変わらず、谷岡が2−0で勝ってイーブンへ。。

 第3ピリオドに、もし0−0だったら谷岡にグラウンドの選択権がくるはずだったが、スタンドに1分間を経過した頃に場外へ押し出されて、痛恨の1失点。0−1で敗れた。

3位決定戦 ○[2−1(0-1,1-0,2-0)]Edward Barsegjan(ポーランド)

 《経過》激しい試合で両選手とも攻撃のポイントを取れず、第1ピリオドは青の谷岡、第2ピリオドは赤のポーランドがそれぞれグラウンドを守ってピリオドを勝利。

 第3ピリオド、ボール・ピック・アップで谷岡が選択権をもらったと思われたが、チェアマンの説明により、第1・2ピリオドでテクニカルポイントがないので、上からのスタートをしいられ、しかもリバース・ウエスト・ロック(クロス・ボディ・ロック)からの攻撃という不可解な判定。谷岡は俵返しの組み手からすぐにがぶりからの攻撃へ転換。相手が必死に防御し、がぶり返しを取れなかったものの、ラスト10秒、逆サイドに飛んで相手の肩を返して、銅メダルの2点を取った。

【準決勝】1階級下の北京五輪銀メダリストに惜敗(赤が谷岡)。 【3位決定戦】初の国際大会メダルを目指して闘う谷岡(青)。 【3位決定戦】ラスト30秒、必死に攻めた谷岡が2ポイント獲得。

 【60kg級】佐藤亮太(日体大)      13位=23選手出場

1回戦 ●[1−2(3-0,3-5,0-1)]谷岡泰幸(自衛隊)

 《経過》=谷岡の項目参照


 【74kg級】鶴巻宰(自衛隊)      12位=25選手出場

1回戦   BYE

2回戦  ○[2−1(0-1,2-0,6-1)]Jake Fisher(米国)

 《経過》 第1・2ピリオド、ガツレンチを掛け合ってピリオドスコア1−1へ。第3ピリオドは、鶴巻が一本背負いとがぶり返しなどで一方的に勝った。

3回戦  ●[0−2(0-2,0-2)]Alexander Kikinov(ベラルーシ)

 《経過》 アテネ五輪のベラルーシの代表に対して、第1ピリオドのスタンド戦は0−0。赤の鶴巻がグラウンドの攻撃となったが、相手のスイッチなどで0−2とされ、先制された。第2ピリオドもスタンド戦は同じく0−0。グラウンドの防御となった鶴巻は、脇をオープンにしていなという警告で1点のペナルティを取られ、そのあと返されて0−2とされた。

敗者復活戦 ●[0−2(0-2,0-1)]Farid Mansurov(アゼルバイジャン)

 《経過》2007年の66kg級世界チャンピオンのマンスロフに対して、鶴巻は攻撃のチャンスが取れず、第1ピリオドはローリングを受けて0−2。第2ピリオドはスタンドで警告のペナルティを取られて0−1。不完全燃焼に終わった。

【2回戦】鶴巻(青)は米国選手にガッツレンチを決めた。 【敗者復活戦】2007年66kg級世界王者に勝てず(青が鶴巻)

 【74kg級】金久保武大(日体大)       22位=25選手出場

1回戦 ●[0−2(0-1,0-3)]Yauhani Silivonchnik(ベラルーシ)

 《経過》第1ピリオド、スタンド戦で必死な押し合いが展開されたものの0−0。グラウンドの攻撃となった金久保は返せなくて0−1。第2ピリオドも0−0のあと、一昨年の欧州ジュニア3位の相手がグラウンドの攻撃となり、きれいなリフトで投げて3点を取り、勝負が決まった。

【1回戦】激しい押しに耐えた金久保(赤)だが…。

 【84kg級】斎川哲克(両毛ヤクルト販売)       12位=20選手出場

1回戦  BYE

2回戦  ●[1−2(0-4,6-0,0-3)]David Karchava(グルジア)

 《経過》昨年のゴールデンGP大会2位の選手に第1ピリオドを落とした斎川選手は、第2ピリオド、ローリングと相手のそり投げのミスなどで6−0のテクニカル勝ち。しかし、第3ピリオド、斎川選手の一本背負い投げのミスで相手が上となり、ローリングで2失点。それから場外に押し出され、0−3となって敗れた。

敗者復活戦 ●[0−2(0-5,0-7)]Ahmet Yildirim(トルコ)

 《経過》第1ピリオドの序盤、相手がテークダウンを取ってローリング3回転。第2ピリオド、斎川の首投げのミスで相手に1点。グラウンド戦では下の斎川がフライングの2失点。そしてリフト、そり投げで試合終了。


 【120kg級】中村淳志(カンサイ)       16位=16選手出場

1回戦 ●[0−2(0-6,0-5)]Ivan Ivanov(ブルガリア)

 《経過》第1ピリオド、中村はブルガリアの北京五輪代表に首投げから、ローリングされて0−6。第2ピリオド、スタンドで警告を受け、グラウンドではガツレンチを2回決められた。


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