【特集】連続優勝ならなかったが、外国選手への恐怖心は全くなし…フリー55kg級・湯元進一(自衛隊)【2009年2月17日】



 前週の「ヤシャ・ドク国際大会」(トルコ)で優勝したフリースタイル55kg級の湯元進一(自衛隊=右写真)が、3回戦で稲葉泰弘(警視庁)に不覚。連続優勝を逃した。

 敗者復活戦を勝ち、最後は2007年世界2位のナランバータル・バヤラー(モンゴル)を下して銅メダルを確保したが、「悔しいですね」と第一声。稲葉とは闘う度に接戦で、勝ったり負けたりだが、昨年の大分国体で負けたあと、全日本選手権、「ヤシャ・ドク国際大会」と2連勝。その間にあった全日本合宿中の練習試合でも2戦2勝と、最近は相性がよかった。それだけに勝ちたかったところだ。

 勝敗を分けた稲葉の内または、大技を狙って踏み込んだところを仕掛けられたもの。「欲が出てしまった。選択ミスというか…、(仕掛けが)下手くそですね」と反省した。しかし外国選手との3試合で感じたことは、今までに比べて余裕があったこと。「恐怖感がありませんでした。以前は、『何が来るんだろ?』ということで頭がいっぱいだった。今は自分のレスリングを考えられるようになった」と言う。

 3位決定戦の相手のバヤラーは、2007年8月の「ダン・コロフ国際大会」で2−0(TF7-0=1:31,TF6-0=1:52)で勝っていた相手。負ける気は全くなかったという。「何回やっても勝てるという気持ち?」という問いに、そこまでの断言はなかったが、「ポイントを取られるという気は全くないです。次に闘っても絶対に勝ちます」と言い切った。

 今回の闘いは守られてしまって攻めあぐみ、第1・2ピリオドとも0−0で終わってしまった(第3ピリオド1分45秒に1点を挙げて勝利)。「守られてもしっかり攻撃できるレスリングを覚えなければ」と振り返る。間違いなく、ワンランク上のレベルに実力を上げているようだ(左写真=バヤラーに勝って銅メダルを確保)

 今大会で残念なことは、2006年世界2位のラドスラフ・ベリコフ(ブルガリア)が不参加だったこと。当初は出場とのことで、直前練習もしていたが、2日ほど前に歯痛のため欠場を決めたという。「いろんな強豪外国選手と闘いたいんですよ」と、気持ちはどこまでも前向きだ。

 連続優勝は逃したものの、2大会連続メダル獲得で強化の方向性に間違いがないことは自信を持って断言できるという。「次はアジア選手権(5月・タイ)。マンスロフ(2003・05年世界王者=ウズベキスタン)がまだやっているみたいなので、闘いたい。結果を出して、そのあとの世界選手権予選を勝ち抜きたい」。大きな目標に向かってばく進している。


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