新ルールを想定して練習…男子グレコローマン全日本チームが今年3度目の合宿【2009年2月6日】



 男子グレコローマンの全日本チームが2月5日、東京・ナショナルトレーニングセンター(NTC)で今年3度目の合宿をスタート。前日、情報が届いたグレコローマンのルール改正を念頭において練習した(右写真=スタンドの攻防を練習する選手)

 まだ改正ルールの詳細は分からないが、スタンドでの闘いが現在の1分から1分30秒となることは間違いないもよう。それに合わせ、この日のスパーリングでは、スタンド戦が1分30秒に伸びた。今後の練習でも、「スタンドでの練習の割合が多くなるでしょう」(佐藤満強化委員長=専大教)という。

 しかし、佐藤強化委員長は「ルールがどう変わろうとも、練習の基本は同じ。スタンドでポイントを取りにいく、グラウンドで返す、返されない、の3つに力を入れる。休まずに攻める選手が強くなる」と強調。選手には、ルール改正にとらわれず、やるべきことをしっかりやるように伝えていくという。

 スタンド戦が1分30秒に伸びれば、「スタンド戦では勝負せず、グラウンド戦で勝負」の選手が減り、スタンド戦で勝負をかける選手が増えるのは明白。しかし、これまで平均して外国が露骨にグラウンド勝負を狙ってきたのに対し、日本はスタンド戦でポイントを取りにいき、相手を動かしてばてさせる練習に力を入れてきた。「やることは変わりない」と佐藤強化委員長。「(実力は上なのに)ルールで負けた、というケースもあっただろうが、そういう選手は勝ってもいる。ルールに対応することも必要だが、基本の強さがなければ、絶対に勝てない」と言う。

 3分2ピリオドのトータルポイント制のルールから、2分3ピリオドの2ピリオド先取制に変わったのが2005年。その年の世界選手権では、優勝した60kg級のアルメン・ナザリアン(ブルガリア)と96kg級のハムザ・イェルリカヤ(トルコ)を筆頭に、なじみの顔がズラリと上位を独占した。佐藤強化委員長は「基本の強さがあれば、ルールがどうであっても対応できるはず。その意識をしっかりと植え付けたい」としている。

 合宿は8日まで。9日には欧州遠征に出発する。


 なお、現段階で伝わっている改正ルールは下記の通り(注=正式に決定され、通達されたルールではありませんので、十分に注意ください。正式に通達があり、日本協会審判委員会から発表され次第、本HPに掲載します)

(1)グレコローマンでは、各ピリオドとも1分30秒、スタンド・レスリングを行い、残り30秒でグラウンド・レスリングを行う。

(2)グラウンド・レスリングでは、第1・2ピリオドはボールピックアップを行わず、第1ピリオドは赤の選手、第2ピリオドは青の選手が、それぞれ攻撃。第3ピリオドのみ、ボールピックアップで攻撃権を決める。

(3)ボールピックアップの際、袋の中のボールは6〜8個。

 ※グラウンドでの攻撃が、現在と同じクロス・ボディ・ロックからスタートするのか、ノーマル・パーテールでスタートするかは不明。また、ポイントをリードされていても、第1ピリオドは赤、第2ピリオドは青の攻撃でグラウンド・レスリングが始まるのか等も不明。


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