元五輪代表の総合格闘家・宮田和幸選手(日大OB)が未来の五輪選手育成へ【2009年1月28日】



 2000年シドニー五輪男子フリースタイル63kg級代表で、プロ格闘家の宮田和幸選手(日大OB)が、東京都足立区にキッズ・レスリング教室を含めた格闘技ジム「Brave」をオープン。1月26日、約200人の関係者・サポーターが集まり道場開きが行われた(右写真:K−1のボンバー森尾リングアナ=右=による乾杯)

 宮田選手は茨城・水戸五中時代に全国王者に輝き、茨城・土浦日大高〜日大で活躍。1997年に日大が日体大の東日本学生リーグ戦の連覇を止めた時に主将を務めた。その後、シドニー五輪に出場。2004年アテネ五輪の出場を逃したあと、総合格闘技に転向。日本の五輪代表選手から本格的に総合へ転向した第1号選手で、「HERO'S」、「DREAM」でファイトし、K-1にも出場したことがある。

 これまではフリーで活動し、他のジムへ練習に行く環境だったが、この度、自らのジムをオープン。最近、いっそう盛んになっているキッズ・レスリングにも取り組み、古巣の活性化にも力を注ぐことになった。「レスリングはボクの原点。キッズ・レスリング教室に力を入れ、将来のオリンピック選手を育てたい」と話す。また、近くには高校も多いことから、高校生を対象としたK-1甲子園に出場できるようなK-1ファイターの育成にも乗り出したいという。

 指導に回るわけではない。ジム開設によって今まで以上に練習に打ち込める環境となり、格闘家としての活動にもこれまで以上に力を注ぐという。「子供たちは強い選手にあこがれる。自分が試合に出て負けてばかりではダメ。子供たちに夢を与えるためにも、自分も頑張る」と、自らの頑張りこそがオリンピック選手育成の道と力をこめる。

■レスリング界から総合入りした黄金世代! 協力して活性化を

 これまではライト級(70kg級)で闘っていたが、通常体重が71kg級なので、この階級ではきつかった。「DREAM」に1つ下のフェザー級(63kg予定)が新設されるので、「自分にとって最適の階級」と話し、フェザー級王者、さらには1度負けている山本“KID”徳郁(KRAZY BEE)へのリベンジも視野に入れている。

 ジム開きでは、K-1を主催するFEGの谷川貞治プロデュサー、土浦日大時代の同級生でもあるプロ格闘家の桜井“マッハ”速人選手ら格闘技関係者のほか、女優の岸本加世子さん、プロ野球で2006年にパ・リーグの新人王に輝いた日本ハムファイターズの八木智哉投手らも顔を見せ、幅広い人脈を披露した(左写真:岸本さん、谷川プロデュサーとともに鏡開き)

 レスリング界からは、大学時代の恩師の富山英明監督は大学の会合と重なって欠席したが、菅芳松・日本協会事務局次長が出席。宮田選手の日大の同期生で元全日本女子チームコーチの楳沢智治さん、同じく同期で宮田さんより早くに総合格闘家としてデビューした矢野倍達さん(専大OB)、茨城・鹿島学園高の高野謙二監督(国士大OB)、北京五輪の国際レスリング連盟オフィシャルカメラマンの保高幸子さんらが出席し、門出を祝った。

 1993年の高校三冠王の楳沢さんは、修斗のリングでファイトしたことがあり、現在は栃木・足利市で総合格闘技ジム「SPIDER」を開いている(ブログ)。「自分も頑張りたい。足利から(最寄駅の)北千住は電車で1本。教え子をつれて練習に来たい」と、同期生の新たな挑戦に全面的に協力の姿勢。大学時代に学生三冠王を達成した矢野さんは宮田選手の総合転向以来、練習相手になってきた。「生徒の指導に来ます」と、やはり協力を惜しまないという。

 同期には、他に「戦極」でファイトしている光岡映二選手(大東大OB)、「CAGE FORCE」でファイトしている星野勇二選手(国士大OB)がおり、いわば大学レスリング界から総合へ進んだ黄金世代。楳沢さん、矢野さんとも「みんな協力して、レスリング界、総合界ともに盛り上げていきたい」と語気を強めた(右写真:約200人が祝った宮田選手の新たな挑戦)

 また2006年学生2位で、日大を支えた秋本直樹選手も本格的な総合デビューを目指し、この道場で練習する。

 なお、「Brave」(東京都足立区千住3−5第2小寺ビル1F、JR・地下鉄などの「北千住」下車徒歩5分)では、キッズ・レスラーを含め、生徒を募集中。会費は一般10,500円、中学生7,350円、幼・小学生6,300円)。宮田選手のほか、矢野さん、昨年12月の世界グラップリング選手権で銅メダルを獲得した鶴屋浩さんらが指導する。詳細はホームページへ。


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